若松孝二『連合赤軍』を観る。

  • 朝から自動車学校。久しぶりに行くので、さっぱり忘れている。ツライ。。。。。私は焦るとアクセルを踏む傾向があるらしい。さもありなん。
  • 午後から第七藝術劇場若松孝二の『連合赤軍 あさま山荘への道程』*1をようやく観る。
  • なるほど、若松孝二渾身の映画だった。特に山岳アジトでの「総括」と「共産主義化」はグッタリと気が滅入るほどの迫力がある。しかし、誰もそれを見たことがない二百年前を映画にするより、数十年前と云うのはいちばん難しいのだなと痛感。山岳アジトは些かも問題ないのだけれど、山へ籠もるまでの東京でのデモだの飲み屋でのシーンや、あさま山荘に篭城してからの山荘内部に、どうしても「今」が映り込んでしまうのだ。潤沢な予算で撮られた映画ではないから致し方ないのだが、すごく気合の入った映画であるだけに、瑕瑾であり、残念でならない。
  • しかし、山に入ってからの役者たちの顔がすっかり変わってしまうのが良い。「総括」も「共産主義化」も総てはブラックボックスなわけであり(だから私は自己啓発とか自己改造とか大嫌いなのだ。ビジネス書を読んでかぶれた奴がよく使う「気づき」と云う言葉も大嫌い。反吐が出る)、その私刑の被害者のひとりとなる遠山美枝子を演じる、坂井真紀が凄絶。私の後ろで見ていたオバちゃんたちのなかの数人は、私刑で正気を失くした彼女のシーンで、「ごめん、もうあたしアカンわ」と呟いて席を立った。能面のような並木愛枝の永田洋子も怖ろしい。三時間十分の映画だが、あっと云う間。私は些かも、連合赤軍の連中の云った革命に意味があったなんて考えないが、一本の映画としては力作であると思った。大塚英志の『「彼女たち」の連合赤軍』を本棚から引っ張り出してこなきゃと、思う。
  • 夜、「批評ギブス」で一緒だった面白い演劇批評を書くK君と電話で駄弁る。