一柳卓球。

  • きょうも図書館に行き、M女史から依頼の仕事に必要な本を借り出してくる。『道標』のなかに入っている論文「真性の本質について」が要るのに、講義録『真理の本質について』を借りていたのだ。
  • 今年の六月に刊行されたばかりの『日本の作曲家 近現代音楽人名事典』*1と云う分厚い人名録が開架に並んでいて、作曲家自身がアンケートに答えた結果と、短い評伝ふうの文が併記されているのだが、ぱらぱら読んでいると、望月京は中学生のとき既にロストロポーヴィチに激賞されて、すぐに専門の音楽教育を受けるよう奨められたとか(なんだか『トウキョウソナタ』みたいだ)、某の細君は某であるとはっきり明記されていたり、あれこれと面白いのだが、いちばん印象に残ったのは一柳慧の「特技」のところに、「卓球」と記してあったことだった。
  • いちど帰宅して、軽く飯を食い、「しま」と遊び(洗濯機の裏側に「しま」が逃げ込むのを捕まえようとしたのが、彼はしっぽが私の親指ほどの長さしかないので、結局捕らえ損ねる。あとで埃だらけになって出てきていた)、椹木野衣『日本・現代・美術』の続きを読む。第九章から第十一章にかけて、とても充溢している。
  • 日が暮れてからアルバイトに。私が家を出ると、斜め前の家のおばさんが、孫を連れて外に出ている。挨拶をすると、まだよく舌のまわらない男の子から「イッテラッシャイ」と返されて、「ありがとう。いってきます」と応えた。しかし、夜になるとスーツを着て出かける私を、近所のおばさんや爺さんたちは、何だと思っているのだろう。たぶん、何とも思っていないと思う。
  • 柚子とドーナツ屋で待ち合わせて、途中まで一緒に帰る。帰宅してから、「おでん」の残りを食べ終えてしまう。
  • 柚子から、今年のノーベル文学賞ル・クレジオが決まったことを教えられる。私は、『物質的恍惚』と『戦争』が好き。