木村太陽「55 Bethune Street,NYC」展をみる

  • 昼過ぎまでぐてぐてと過ごして、柚子が昨晩つくってくれたカレーを食べ、柚子の蒲団の中で眠っている「しま」を撫でて、洗濯機を廻してから出かける。
  • アートコートギャラリーで、木村太陽「55 Bethune Street,NYC」展をみる。窪みと窃視をめぐって、そこから考えられるやりたいこととやるべきことを徹底してやりきっている(たとえば、女性誌を地層のように彫ってゆき、あちこちのページにある眼の部分だけを顕わにしてみせたり、ずらりと並べられた牛乳パックの中を覗き込むと、底のほうで、紙粘土の人間がどんどん増えていったりと、やっていることはとても明快なのだが、そのシンプルな手法から獲得される可笑しさと不気味さは鋭く研ぎ澄まされており、それがきわめてよく練られて、充分に効果を狙っていることがうかがわれる)ことは、私の嗜好とか好き嫌いなんか飛び越えて、強烈に伝わってくる。特に映像作品《55 Bethune Street,NYC》に於ける、映っているものの気持ち悪さと、映っているものが動くリズムの気持ち良さが、ずいぶん面白かった。
  • そのまま歩いて、天神橋筋商店街の古本屋を経由して梅田まで戻る。このまま帰ろうかと思ったが梅田阪急の前で、そういや伊勢丹からDMOARTSが移ったんだったと思い出して行ってみる。そこでたまたまやっていた清水智裕「惑星Qの定時連絡」展をみる。
  • 帰宅して洗濯物を干す。柚子は灯油が買えなくてがっかりしている。ふたりで並んで晩飯を食べる。