• 新幹線なら、京都から名古屋はほとんど一瞬。地下鉄で栄まで出て、愛知県藝術劇場で《みんなが主役!SKE48 59人のソロコンサート〜未来のセンターは誰だ?》の昼の部をみる。一階十列の通路の真横で、かなりいい席。
  • 高塚夏生にぐっときたり、酒井芽衣がめちゃくちゃかっこよかったり、ほののがかわいかったり山内鈴蘭と末永桜花にエンターテインメントのプロとしてのド迫力を感じて感心したり、どんちゃんから名刺を貰ったり内山命に笑ったり、はるたむがエロかったり、楽々さんのシャウトにびびったりえごちゃんがキュートだったりくまちゃんがすごかったりしているうちに、いよいよ最後に須田さんが出てくる。SKEにいる時間も長くなり、メンバーのなかでの年齢も上から数えるほうがはやくなって、きょうも若いメンバーたちと一緒に楽屋入ろうとしたら「スタッフさんはパスを呈示してください!」と声をかけられた、と、無駄のないおばさんトークをとんとんとんと繰り出すのだが、その須田さんの衣裳が、髪型が、どうもあれっぽくて、ん?じゃあその「あれ」ってなんだ、と考えているうちにあれの正体が判って、叫びそうになった。森高だ!高校生のとき、俺が大好きだった森高だ!時期的にはちょうど《ペパーランド》から《ラッキーセブン》のころの森高。じぶんでドカドカとドラムを叩き出したときの森高。ANAのCMは《風にふかれて》ではなく《私の夏》のころの森高。そして、《私がオバさんになっても》を須田さんが歌い始める。秋が終われば冬が来る(あかりん!)ほんとに早いわ(あかりん!)夏休みにはふたりして(超絶可愛い)サイパンへ行ったわ(あかりんっっっ!)……京都会館第一ホールでスタンディングで舞台をみつめているじぶんと、今のじぶんがいきなり繋がる。ほんとうに驚いた。ムーンライダーズと森高はカーネーションで繋がる!とじぶんを納得させていた高校生のときのじぶんに、その森高とSKE48はおまえの神推しの須田亜香里で繋がるぞと教えてやりたい。何のことだかまったく判らんだろうけど。だーすーと森高が繋がって歓喜するというのは、もちろん私独りの勝手な繋ぎとめに過ぎない。しかし、そういうものでまずよしとして、やってゆこうと思っている。批評だったり何だったり。
  • そのあと、予告のあっただーすーからの重大発表で、あの『TVNavi』のエッセイの連載をベースにした、自己啓発本を来春出版とのこと。あれをいいと思って読んでいたのはやっぱり俺だけじゃなかったかと、いつもながら私が天才ではないゆえの確かさよ。わらわらと舞台上に出てきた、だーすーのお面をかぶった、ちびだーすーたちが客席に下りてきて、栞をもって横を通り過ぎようとしたので、「それください!」って云ったら一枚くれた。たぶん、仮面の下は、ほののだったと思う。
  • それから八期生のお披露目。ひとりひとりの名前を大声で叫ぶ。全然まだ誰が誰だか判らないが、こういうのに立ち会うと推したくなるもんだなあと苦笑する。
  • 終わってから、そのままビルを昇って、愛知県美術館で、コレクション企画「日本で洋画、どこまで洋画?高橋由一から現代画家まで」展などをみる。けっきょく日本の明治以降の洋画ってのは、油絵具の厚みへのフェティッシュだったんじゃないか。もりもりに盛れて、支持体のおもてから浮き出ている!ってのが気持ちよかったんじゃないか。だからそれって、ほとんど絵画というより彫刻とか工藝に近いものだったんじゃないか。そして、そういう絵画じゃなくてもよかったんだけど絵画になったものの系譜は今も本邦の美術では途絶えていないんじゃないか、などと思えてくる。
  • きょうはルイスとかは架かっていなくて残念だが、ボナールはやっぱりみていると、とても気持ちいい。ヴュイヤールもふしぎなよさがある。
  • 美術館を出て、エレベータに乗ると、ちょうど午後の部のはじまりあたりで、一緒に乗っているじいさんばあさんたちが下を見下ろして、「きょうはなんかやってるの?ひとがいっぱい」と云っていたので、「SKEがライヴやってるんですよ」というと「へえー」と。ああ、このひとたちもどうやらSKEは知ってるのだなと思う。東京のおさがりじゃないんだから、地元で愛されてほしいとつくづく思う。
  • 鶴舞へ出て古本屋を覗き、本山へ出て古本屋を覗いて、そのままフローリストギャラリーNで鷹野健「Nreconstruct」展をみる。ちぎれ、吹き飛んでしまう、そのぎりぎり手前で表現することをきまじめに模索しているようす。ケンタッキーで夕食を食べて、ちんたら帰路。

松本慈子高塚夏生、町音葉、野口由芽、酒井萌衣、相川暖花、山内鈴蘭、末永桜花、福士奈央内山命二村春香、後藤楽々、江籠裕奈熊崎晴香須田亜香里