• 風邪が少しよくなって、また病院に行けるぐらい元気になった柚子と神戸まで出る。私も三宮の耳鼻科で診察してもらって、ほとんど治りかけているがまだちょっと喉と鼻に残っているので薬を出してもらう。元町で待ち合わせて、味香園で食事をする。BALの無印で買物をして、別れる。
  • 国立国際美術館の常設展をみる。展示室1も照明が落としぎみで、津上みゆきとか杉戸洋とかちょっとこれはかわいそうだなと思ったが、展示室2は防空壕なみで、辰野登恵子の絵は豊かな色がほとんど潰れてしまっている。なるほど、今回の展示では、辰野のカンヴァスに描かれている何ものかのかたちのマッシヴな質感を、照明をぐっと落とすことで抽出しようとしているのであるというのならば判るが、辰野の絵の色を犠牲にしてまで出さねばならぬコントラストだろうか? 図書室(情報センター)を使った「マルセル・デュャンを立体的に視る」という展示も工夫があって面白かったけれど、どうも釈然としないという気持ちが残り続けて、それくらいではイライラは解消されず、燻ったままである。ジュンク堂へ行くと棚の位置がすっかり変わっていて面食らう。アントワーヌ・コンパニョンの『近代藝術の五つのパラドックス』がふつうに売っていて驚く。必要なところはコピーも取ってあるけれど、やはり買う。二日も休んだけれど、肝心な仕事が進んでいないのもあって、イライラしている。
  • 帰宅して、ちょっとだけ皿を洗って、ブリテンの《弦楽四重奏曲第一番》を聴いている。冒頭のチェロが打楽器のようなリズムを刻みだすところから、ほんとうによく考え抜かれているうえに、とても気持ちのよい音楽。とてもよく記譜のこととか楽器のこととか考えぬいて判って書いているんだろうなという気がする。だからこそ演奏者との遭遇を歓待しているような。そんな音楽であるような気がする。