• 仕事納め。職場の呑み会に顔を出して、楽しく話して、終電ギリギリで帰宅する。寒い夜道を歩いて帰りながら、今年は糞どうでもいいことでじりじりとキツかったなと思ったせいか、いきなり空気が冷たくなったせいか、両眼から涙が滲んでくるような、こないような、揺れるコップのふちのようになる。「手遅れになる前に」というのは、よく云われるけれど、いろんなことを考えてしまうと、これがなかなか難しいんだろうなと思う。おっさんになったから、大抵のことは流せると思っていたけれど、どうもそうではないらしい。
  • ほかの本を読みながら、ちょっと気になって手にとった本多理恵子『料理が苦痛だ』という本を、ちょこちょこと読んでいる。「毎日・毎回向き合う「日常」」としての「料理を作るのがあなたならば、一番大切なのはあなたの気持ちにゆとりがあること。「料理を苦痛に感じる」のは後ろめたくもないし、珍しいことでもない」とか、「時間があってもできないものはできないし、仕事だと思ってもどうしてもできない時だってある」とか、「だから自分の不調は自分でキャッチして早めに対応をとるべし」というようなシンプルな言葉に、(だよねぇ……)って頷きながら(私はまったく料理をしないけれども)。
  • 「ああ疲れた疲れた」とか云いながら、居間で、彼女もきょうで仕事納めだった柚子と喋りつつ、やがてホットカーペットの上で、「しま」の隣で眠ってしまう。