• 夕食をとりながら、ぼんやりTVを眺めていたら、「あのひとは子供が欲しくないっていっていたので……でも、この子がいることを知ったら、自殺しなかったかもしれない」みたいな台詞が聴こえてきて、自分の子供は欲しくないといっていたのなら、そのことこそが嫌でたまらなくて、最後のひと押しになることもあるだろうと思う。
  • 「私にも子供がいるので、こんな凶行は許すことができません」と、マクラのように書くひとの文をみるたび、失笑を噛み殺す。ガキがいようがいまいが、子供は殺しちゃまずいのだ。あんたはガキがいるからそう思うんでしょうが、こちらはいませんから、幾らでも凶行に奔らせてもらいますよと、開き直らせるだけのことを、わざわざどうして書くのだろう(そもそも、あちら側のひとに向けた言葉ではなく、こちら側のひとたちへの、説得のための阿りなのかもしれないけれど)。