杉本博司『現な像』(新潮社)
皿を洗っていると、「しま」が温かいのだろう炊飯器の上にちまりと坐って、こちらを見上げている。そちらを向いて、「しま」の顔を見ていると、思わず破顔一笑してしまう。それは、まったく我知らずのことで、些かの意味も附帯していない笑みだった。顧慮も…
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