2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

相模原の障害者施設で起きた幼稚で残忍なテロに対して、この「事件そのものよりも」、施設で働いているひとたちの給料の低さに驚いたと書いているひとが少なくないことに気づいて、ひどくうんざりする。驚きの感情が、あの事件そのものにまず向かうよりもカ…

《新・幕末純情伝》と《LOVERS》をみる。

先日柚子と演劇の話をしていてつかこうへいの話になり、柚子が、西岡徳馬が坂本龍馬をやった《幕末純情伝》が面白かった、玲奈さんならいいんじゃないかと云ったので、慌ててチケットをネットで探して譲って貰ったので、昼から出かけて梅田芸術劇場。つかこ…

ゲルハルト・リヒター《14 Panes of Glass for Toyoshima, dedicated to futility》をみる

はっと眼が醒める。まだ朝六時。慌てて風呂に入り、食堂で朝食を摂ってからチェックアウトして、八時発の船に乗って豊島。船で島に渡ることじだい初めてだったのではないか。三〇分ほどで着く。白い犬が桟橋に二頭、迎えに出ている。 花が咲いている小さな菜…

DVDでチャーリー・カウフマン&デューク・ジョンソン『アノマリサ』をみる。カウフマンの映画の主人公たちは、云わばずっと「嘔吐」し続けている。今回もひとりの中年男がいて、特別な女の声だけがそれを救ってくれるが、その効果も、たったひと晩だけである…

DVDでコーネル・ムンドルッツォの『ホワイト・ゴッド』をみる。押井守と藤原カムイの『犬狼伝説』の最後、夥しい犬たちが街路を疾駆する場面を、ブタペストを舞台に真剣にやったような映画。ちょっと変な映画なんだが犬たちはきれいだし、あらゆる画面にこれ…

石川美子の『ロラン・バルト』をするすると読み終える。薄くて軽くて敬意に充ちた、よい本だった。

とても暑い。十分ずつとか、細切れにみてきた『シテール島への船出』を見終える。アンゲロプロスの自画像でもあるのだろう映画作家のアレクサンドロス(彼の事務所には『旅芸人の記録』のポスターが貼ってある)は父と母の間で右往左往するだけで、彼らのこ…