2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

寒い街路をほっつき歩き、暖かい喫茶店でだらだらした故か、悪寒を覚える。早々に帰宅して八時半にはもう夕食も摂らず蒲団に包って眠る。

では、望遠でスナップを撮るベアト・ストロイリの写真はどうだろう。相手の視線がこちらにまっすぐ向けられているので、眼の前でカメラを構えているかのように見える写真も少なくないが、もちろん撮影者は被写体の前にはいない。フリードランダーのように撮…

スナップ写真は疾しい写真だ。人間を盗み撮っていないときでも痒みのような疾しさに疼く。写真を撮るようになってから、家や建物は始終鳴っていることを知った。古いベランダの床をそっと人が踏んで、階下の様子を窺おうとしているような音や、建てつけのよ…

昨日さんちかの古本市の閉店直前に、ロラン・バルトの『ラシーヌ論』が安く売っているのを見つけたのだが持ち合わせがなく、売れていないことを祈りながら速歩で再訪して無事確保。ついでに『メカスの映画日記』も安かったので買う。

プルーストを読みながら(『ソドムとゴモラ』で「わたし」がシャルル・スワンからゲルマント大公がドレーフュス派に改宗したことを打ち明けた話を訊くあたり)レベッカ・クリフォードも読んでいる。 ジョセフ・フォン・スタンバーグの『暗黒街』を見る。パン…

朝、風呂に入りながら田野大輔の『愛と欲望のナチズム』を読了。特に同性愛と売春について書かれた章を読みながら、知れば知るほどナチというのは胸糞悪い連中だなと思う。レベッカ・クリフォードの『ホロコースト最年少生存者たち』を読み始める。

田野大輔の『愛と欲望のナチズム』を読み始める。 午後から柚子と同じ電車で出かける。私は新今宮で降りて、天下茶屋のほうに、そぞろ歩きしながら写真を撮る。 スナップショットと批評、今とても嫌われているものをふたつも、私は宿痾として血道を上げてい…

ダニエル・リーの『SS将校のアームチェア』を読み終える。このまま映画のエンディングになりそうな幕切れが素晴らしい。 グリージンガーの遺児たちに対する、歴史家の「わたし」への態度は些か冷たすぎるんじゃないかと思う時がある。しかし、「わたし」は、…

須田亜香里のソロライヴの抽選に、渋谷に続いて今回の名古屋も今回も外れて、予想よりもずっと深く凹む。最近、サケカスとしてのじぶんの今後の展望が見えない。

同僚たちと三宮のロフト(ではないのだが)の外の階段を降りてゆくと、途中の踊り場のようなところで、ロゴの入った作業服を着た父が煙草を吸いながら笑顔で立っている。眼鏡はかけていない。車をどこかに停めていてどうのこうのという話を父がする。あ、こ…

朝は「しま」に起こされる。洗濯物を干して、昼過ぎから出かけてシネ・リーブル神戸でヴィム・ヴェンダースの『アメリカの友人』を見る。舞台がハンブルクやパリだろうとアメリカ映画を、フィルム・ノワールを撮るのだから今回はニューカラー写真の構図と色…

夜遅く眠ったのでだらだらと起きて、昼前からシネ・リーブル神戸でヴィム・ヴェンダースの『都会のアリス』を見る。映画館で見るのはたぶん初めてだと思う。「写真だったら別の人に頼むわ」と言われる作家に哀れを覚えるが、アメリカだったら写真が撮れまく…

ベケットは自分には関係なさそうだと思っていたが、同じように思っていたジョイスの『ユリシーズ』を去年ちょっとだけ読んだときに、どうやらそうでもなさそうだと思った。それから去年はジュネの『バルコン』と『女中たち』と、『桜の園』をはじめとするチ…

洗濯物を干す。風は穏やかで陽射しは温かいが、今日は「しま」は来ない。 夜、本当に面倒な箇所を書いている。書いているというより整理している。歯車が嚙み合っている感じが全然しないまま、ぐるぐる空回りしている。何も進んでいない気もするが、このまま…

柚子と実家に行く。15年ほど勤めてようやく仕事から引退した母に、柚子が贈ることを薦めてくれた食事券を渡す。猫たちと遊ぶ。三人でお節を食べる。夜になると妹もやってくる。それなりに疲れて帰宅する。

謹賀新年。 洗濯物を干しにベランダに上がろうとすると「しま」が先導してくれる。ちょっとだけベランダの柵から身を乗り出して外を眺めていたが、寒いからすぐに私を置いて部屋の中に入る。 マナコルダが指揮するカンマーアカデミーポツダムのメンデルスゾ…