2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

いよいよ抗いきれず夕方から出かけて、スピルバーグの『ウエスト・サイド・ストーリー』をHAT神戸で見る。極彩色のダンスにさえ付きまとう暴力について。体育館の激しいダンスバトルのシークェンスで、女の足は飛び出しナイフとして用いられている。どのショ…

まだ暗いうちから起きて友人とポーラ美術館のロニ・ホーン展に。どの作品も、断ち切ることと集めて繋ぎ合わせること(ただしすっかり元通りにしてしまうのではなく)という原則によって作られている。 美術館の外の遊歩道を歩きながら、聳える木々の間から空…

青山真治が亡くなる。青山真治の映画がとても好きだったかというと、決してそうではない。見ている間は、駄目なところばかりが気になってしまう映画だった。しかし、強いて思い出そうとするのでなければ、それらの幾つかの映画たちをふと思い出す折には、と…

朝から洗濯物を回して、サルヴァトーレ・シャリーノのピアノ曲のCDを引っ張り出してきて聴いている。特に《ピアノ・ソナタ第三番》は本当によく囀り、喋り続ける。オスカー・ピッツォの演奏だが、これまで特にピアノには求められてこなかったができるだろう…

昼前から神戸映画資料館に籠ってアレクサンダー・クルーゲ特集。TV番組として制作された短篇をセットにした『サーペンタイン・ギャラリー・プログラム』も1974年の『危急の際に中道は死』(同じ1932年生まれの大島渚の1968年あたりの映画と通底するところ多…

柚子も中之島美術館に行ってきたそう。柚子が図録を買っていたので、見ながら夕食の前に立ち話をする。人の壁で近くで見るのを諦めて私は素通りした佐伯祐三はやはりとてもよかったという。絵の具の厚みと筆致の残し方がとても今っぽくて好きだった原勝四郎…

中之島美の開館記念展をざっと見て、招かれて京都まで出る。新居にお邪魔して、久しぶりに親しい友人たちと会って、おいしい手料理をいただいて、歓談に耽る。とても楽しくて、あっという間に数時間が過ぎる。名残惜しい。

駅のコンビニでリュビモフの七枚組のボックスを引き取ってくる。ジグザグレコードから出ていたものだが、曲目リストとCDだけが入っている何もないとてもシンプルなもので、最初に出ていたときについていた録音時の写真とかリュビモフのコメントなどが載った…

クォン・ウンビの新曲《ESPER》のMVを繰り返し見ている。煙る夜の森の中を、手を引いて走る赤ウンビと白ウンビのショットの美しさ。 早く帰ってくると晩御飯を食べても映画が見られる。Netflixで前田弘二の『まともじゃないのは君も一緒』を見る。きっちりと…

ジョージ・マカーリの『心の革命』を読んでいる。シャルコーなどに比べるとフロイトなんかまるで端役で、あとはヘルムホルツぐらいしか私は知らない一九世紀の独仏の科学者たちの脳と心の探究が開巻からずらりと紹介されてやがて途方に暮れ始めるが、この分…

ゴミ袋を作りながら戦場になったウクライナのどこかの街の映像がTVのモニタに映っているのを見ている。スピルバーグの『宇宙戦争』と初期アンゲロプロスから甚大な影響を受けたようなルックの映像には、灰色の空を背景にひょろ長く冬枯れている街路樹の下を…

夕食のデザートが苺だった。練乳をかけて柚子と食べる。器に残った残った練乳に熱いジャスミン茶を掛けて飲む。去年も同じことをした。また春が来たのだ。

日記を書くことを思いつかなかったり帰ってきて晩飯を食べるところころと眠ってしまっていたこの間、戦争の報道は横目でちらちら見るぐらいにしていても、しばしば強烈な映像が飛び込んでくる。魅了されているのか。そういえばあの本はそういう本だったと思…