2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

シネ・リーブル神戸でマチェイ・バルチェフスキの『アウシュヴィッツのチャンピオン』を見る。よくできている。でも、ユダヤ抜きのホロコースト映画という気もしないではない。スピルバーグの慎ましさというようなことを、ぼんやりと考えたりもする。

マイケル・ボンドの『パディントンのクリスマス』も読み始める。写真屋さんの店先に飾られるほどの「非常に珍しい型の初期のカメラ」でブラウンさん一家を撮る「家族写真」で、パディントンが撮る写真は「少しぼやけていて、ふちのほうに数か所、前足のあと…

『くまのパディントン』を読んでいる。昔小説の学校に通った時、田中哲弥氏が薦めてくれて、それからずっと読みたいと思っていたのだが、あれから何年経ったのかしら。「絵というものは、かいている最中はおもしろいけれど、なかなか思うようにはうまくいか…

『ヨーロッパ・イン・オータム』を読み終える。続巻も翻訳されることを願う。いよいよ積んでおいたマイケル・ボンドの『くまのパディントン』を読むときがきたと思ったので、読み始める。

午後からシネ・リーブル神戸でカンテミール・バラゴフ『戦争と女の顔』を見る。久しぶりの映画館。やはり疲れているようで、初め少しうとうとするが、好みの映画だった。マティスのような緑や赤の服を纏い、空っぽの黒い空洞を抱えた女ふたりがいて、その空…

仕事の帰りにシネ・リーブル神戸でフィリップ・バランティーニの『ボイリング・ポイント』を見る。バリバリ仕事に精を出すような映画かと思っていたらそうではなくて、「アタマ沸いとるな」という言葉が関西にはあるが、「ボイリング・ポイント」とはこの「…

朝早く起きて、御徒町から葉山。海に向かう人たちでいっぱいのバスに乗って、神奈川県立近代美術館葉山で、アレック・ソスの「Gathered Leaves」展を見る。 会場でアレック・ソスとすれ違った。 急いで新宿まで戻って初台の新国立劇場で、ドビュッシーの《ペ…

昼からだらだらと新幹線に乗る。『アセンブリ』は荷物が重くなるので置いてきて、デイヴ・ハッチンソンの『ヨーロッパ・イン・オータム』を読む。副業・スパイに励むシェフが、レイザーワイヤーで仕切られた「マイ国家」の乱立する近未来のヨーロッパで繰り…

仕事が終わってから柚子と灘駅で待ち合せて、駅の改札のモスバーガーで夕食。HAT神戸の109シネマズまでぶらぶら歩いて、バズ・ラーマンの『エルヴィス』を見る。トム・ハンクスの演じるパーカー大佐の走馬灯(『スタートレック』的な時間と距離の旅)という…

仕事を終えて、シネリーブル神戸で柚子と待ち合せてポール・トーマス・アンダーソンの『リコリス・ピザ』を見る。私のPTAの映画に対する期待値が高すぎるのか、憔悴しきっている映画にしか見えなかった。素敵なシークェンスもあるのだが、それが映画全体のグ…

シネマ神戸でシャンタル・アケルマンの『囚われの女』を見る。この映画でシモンと呼ばれるプルーストの「私」は、高橋康也の論じるベケットのようなプルーストだ。シモンのふるまいは「悲愴であるが、同時に滑稽でもあ」って「すなわち道化」であり、シモン…

シネマ神戸でシャンタル・アケルマンの『オルメイヤーの阿房宮』を見る。レイモンド・フロモンの撮影を含め、何もかも素晴らしい。《トリスタン》の前奏曲が流れるなか鬱蒼としなだれかかる密林の河を遡る船の甲板のへりで、煙草をくゆらす褐色の肌のイゾル…