2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

うつらうつらしながら夜中にユーリー・ノルシュテインの傑作選をAmazonで見る。眠って起きるとそのたびに眠ったところまで巻き戻して見る。なので、全部見るのに二、三時間かかった。「アオサギとツル」のばらりと落ちる赤い実のようなネックレスの珠の驚き…

横断歩道があっても止まらない車は止まらない。雨で濡れたアスファルトにゴムの焦げた匂いが立ち込める。こちらから余計な喧嘩は吹っ掛けない。トラブルには巻き込まれないようにする。私人ではない自分をよく意識すること。まだやらなければならない仕事も…

自重しようと思った。もう私はチンピラではないのだから、本当に気をつけよう。来年度は、いやもう今日から、街中ではできるだけ目立たず、静かにしていよう。 浅井健二郎の『経験体の時間』をやっと定価より安く買えた。 『公開性の根源』を楽しく読み進め…

柚子が仕事に出かける。一度起きるがまた蒲団に潜り込む。昼前になっている。少し寒いと思ったら雨まで降っている。フェムケ・ヘレフラーフェンの展示が今日までだったので、久しぶりにKCUAまで出かける。2階のギャラリーで、ジョルジュ・センガの写真と組み…

シャンプーをして、泡を洗い流しているとき、たまたま耳朶の真上からシャワーを浴びていた。すると、耳元で聴こえる音がハーシュ・ノイズにそっくりであることに気づいた。耳の位置をちょっとずつ変えると、メルツバウごっこができる。嬉しくなって、ずっと…

夕方、K先生の講演会を聴く。「小規模な編成の室内楽が多いのは、スペイン風邪の流行でソーシャルディスタンスが実施されて大規模編成の管弦楽の流行がストップしたため(偶然だが私たちの今と通じる)」「何を聴いていいのか判らないなら、音色そのものに注…

大江の話すあの独特の声が脳裏で再生される。たった一度だけ阪急ファイブの上で開催された講演会に参加した。出待ちをして当時のフェイヴァリットだった『「雨の木」を聴く女たち』の文庫本と、『懐かしい年への手紙』の単行本にサインをしてもらって、たま…

洗濯機を回しながら風呂に入り、野村修の『ブレヒト・ノート』に入っている「バイエルン革命とブレヒト」を読む。特にその第二部は、戦後に再版された『家庭用説教集』からは削除された「赤軍兵士の歌」を、ブレヒトの全仕事の中にどう位置づけるかについて…

昼過ぎまで仕事をして、ミント神戸でサム・メンデスの『エンパイア・オブ・ライト』を見る。圧倒的で、滂沱する。非常に気持ちが掻き乱れて、ぐるぐる街中を散歩してから帰宅する。メンデスは、また素晴らしい映画を作った。

とてもきれいに晴れている朝。出勤と一緒にごみ捨てに行く柚子の音を蒲団の中から聴いている。ありがとねごめんねと思いつつ、だらだら起きる。友達から誕生日祝いにもらった音楽を聴く。《kanoyouni》とてもよかった。すごくいい音の電子音が奇妙な動き方を…

クラカウアーの『大衆の装飾』を読んでいる。「写真」と題されたエッセイでは、「写真が可視化するのは、オリジナルについての認識ではなく、ある一瞬の空間的配置だからである。人間が写真のなかに登場するのではなく、その人間から差し引かれたものの総量…

二月が終わるのは早かった。朝は皿を洗ったり「しま」と遊んで、だらだらと午後から出かけて今宮から新世界のあたりに向かって写真を撮りながら歩く。そのまま古本屋を覗きながら日本橋から難波に出て、帰路。雨が降るのは夜中からだった。