2024-08-01から1ヶ月間の記事一覧

眼が醒めると、枕元に「しま」がいないかを探すのが癖になっていたことが、今朝はよく判った。死んだら総てがおしまいだと思ってきたが、そうだと言いたくないのである。死んだらおしまいなのではなくて、付き合い方が変わるだけなのではないか。それは「し…

朝、柚子がペット火葬に幾つか連絡して今日来てくれるところを探す。一件見つかって16時に来てくれるとのこと。私はいちど職場に出る。帰りに「赤福」を三宮の阪急で買う。「「しま」にお土産があるよ」と言って帰宅するのはこれが最後である。「赤福」のピ…

「しま」が亡くなる。

雨がそんなに強くならないうちにリュックに「しま」を入れて病院まで。歩いているうちに、腰のあたりが冷たくなる。やっぱり「しま」がおしっこをしてしまったらしい。点滴と抗生物質を打ってもらって帰路。帰ってきてから玄関でリュックの蓋を開けるが、出…

仕事の帰りに病院に寄る。検尿の結果で先生が「ちょっと脱水っぽくなってるよ」と言う。ペットボトルのお茶を呑んでいるのだが全然足りていなかったか。喉がちょっと痛いと思っていたのは喉が渇いていたのかもしれない。自分の身体のことがよく判らないまま…

fromis_9の《Supersonic》のメイキングがとてもよかった。 ディエゴ・スキッシ・キンテートの『tongos』を聴いている。坂本龍一が『Smoochy』や『1996』で取り組んでいたことに近似しているような感触がある。

松岡正剛も亡くなったらしい。ソレルスとつるんでいたころの中沢新一が「なんでも引き出し、なんでも編集って糞ダサい」と罵倒しているのを読んで参ってしまったので、大した影響は受けなかったが、今でも「自分が今やっていることは結局糞ダサい編集でしか…

ビンスワンガーの「夢と実存」を読んでいる。 『こわれゆく女』は胸糞悪い映画なのだが、唐突に始まるオペラののど自慢だとか、とても美しい場面が本当に多くて、また見たいと思う。しかし、「彼らの夫婦愛を全編すさまじいまでの緊迫感で描き切った」なんて…

シネマ神戸でジョン・カサヴェテスの『こわれゆく女』を見る。冒頭からはっとするような美しいショットが何度も現れるので、じっと見つめてしまうが、むしろ映画は夫によって「こわされゆく女」だった。これは夫婦の極限の愛の映画ではなくて、作為症の夫の…

夜、大島渚の『戦場のメリークリスマス』を久しぶりにDVDで見る。大島渚入門として、本当によくできている映画だと思う。『中野本町の家』を読み終える。吃驚するほどいい本だった。

大島渚の『愛の亡霊』をDVDで見る。最後に木霊する「死刑」に『白昼の通り魔』や『絞死刑』の響きを聴く。

「しま」の病院の盆休みが明けたので、リュックに入れて連れてゆく。点滴と抗生物質の注射。昼から出かけてシネマ神戸でジャック・リヴェットの『シークレット・ディフェンス』を見る。秘書の女の子を殺してからがとても面白かった。何のことはない、殺人の…

お盆だからというのではないが、図書館で借りてきた筑摩文庫の『柳田國男全集(12巻)』から「葬制の沿革について」を読む。

夜中にロラパルーザのIVEのライヴをようやく見る。ユジンがめちゃくちゃ楽しそうなのもいいが、ウォニョンが乾いたぶっとい声で歌い、客席を煽るのが最高に気持ちいい。もともと《Baddie》とかウォニョンがいつもの清楚なお人形さんぽさを棄てて、変な顔をし…

fromis_9カムバの《Supersonic》がいい曲でとても嬉しい。歌い出しがチェヨンなのもいいし、金髪のパク・ジウォンは最高だしナギョンは2分1秒の車の奥からこちらを見ているクールな嫣然のショットがたまらない。 冷房がきついらしく「しま」が私の部屋の隅で…

1970年代の大島渚がおそらく映画メディアではない場所で書いたエッセイを集めた『日曜の午後の悲しみ』を読んでいる。大島の繊細さがとてもよく出ていて、まだ四十代の半ばとかせいぜい後半なのに、肩の力が程よく抜けた、いい文章が多い。

朝早くから「しま」に起こされる。あんまり早く起こされたので勘違いして柚子は一時間早く出社してしまった。洗濯物を干してから、ロスバウトの指揮する《フィガロの結婚》を聴いている。1950年代のモノラルのライヴ録音だが、のびやかな歌手の声もとてもよ…

国立文楽劇場で《女殺油地獄》を見る。まともに文楽を見るのは初めてなので、席は自動のお任せで取ったので最前列。今度はもう少し後ろで、太夫と人形を一望できるところに坐ってもいいかもしれない。「河内屋内の段」の亘太夫と團吾のコンビが面白く、特に…

富岡多恵子がYA向けに訳した『近松名作集』を図書館から借りてきて「女殺油地獄」を読む。与兵衛という男のあっけらかんとした殺しの場面が一切の斟酌がなくて、驚く。グザヴィエル・ゴーチエの『シュルレアリスムと性』を読む。

クリステヴァの『黒い太陽』を読み始める。湯浅譲二も亡くなる。

「りずむぼっくす」でシノーポリの振った《マクベス》がCDが安く売っていたので買って帰る。 夜中に大島渚の『愛のコリーダ』を少し見る。明らかに画面が漲っている。 「しま」に「ちゅーる」を食べるかどうか確認すると、食べるときは、舌を出して、ぺろぺ…

駅前の取り壊し中の団地のまわりで少し写真を撮る。大島渚の『夏の妹』を見る。不思議な魅力のある小品だが、『儀式』と『愛のコリーダ』の間にある映画だと考えるととても面白い。20年前に日本で開催されたドゥェイン・マイケルズの個展の図録が届いている…