日録

今福龍太が編んだ多木浩二の講義録『映像の歴史哲学』を読み始める。「写真には、いつも過去と現在しかないのだ」「それらが風で吹き飛ばされないように、必死で繋ぎ留めているのは、われわれの現在なのである。」「巨大な船が沈没する・タイタニック――これ…

十年ぐらい前の元旦、突然奥歯が痛くなり、泣きながら柚子にタクシーで救急に連れて行ってもらったことがある。そのあとから通った駅前の歯科医院(ネットで調べたら、昔は丁寧だったのに客が増えるようになってからは……と書き込みされていた)に朝起きてか…

今日は仕事が終ったら早く帰ろうと思ってそれなりに早く帰ってきたのだが、帰って菓子パンを食べて、ちょっと奥歯に違和感があって、爪の先で歯と歯茎の間を押していると、詰め物をしている銀歯が、ぽとん、と舌の上に転がり落ちてくる。 柚子が帰宅してから…

昨日は疲れはてたので、とにかく眠る。よく寝たのでずいぶん気持ちも楽で、朝は風呂に入って仕事に行く。 帰ってきて柚子と晩御飯を食べて、ケーキも食べる。 蓮實重彦の再読はどんどん気持ちよくなってきてまだ続いていて、『批評あるいは仮死の祭典』を読…

ずっと起きないで眠っていると、東京駅のバス停に着く。雨。駅の中の本屋でぶらぶらしているうちに、いい時間になったので、地下鉄で乃木坂まで移動して、国立新美術館で「ピエール・ボナール」展をみる。セザンヌもキュビスムもマティスも経験して、それで…

朝起きだして、昨日書いたものを読む。このままだと幾らでも細部が膨れて終わらなくなると判断して、書きたいことをふたつに絞る。それから冒頭を書き改めると、なんとか昨夜に書いた分が整理できて、昼過ぎには書き終える。 宝塚に行く。阪急に乗っていると…

朝から夜まで仕事に出て、帰ってきてから部屋で、JLGの『全評論・全発言II』に載っている、ゾエトロープで撮るはずだった『ザ・ストーリー』の「抜粋されたシナリオ」を読みながら、これが撮られなかったことをとても残念だと思う。「母と娘が部屋のなかを行…

朝から仕事。帰りは七時に閉まる三宮の耳鼻科に、ぎりぎり寄ることができる。 帰宅して「しま」のごはんを用意して、冷たいお茶を呑んで、何となく選んだドーリックSQのハイドン《日の出》を聴きながら原稿を書く。 ポーリーン・ケイルとゴダールとの対談を…

何か書いているとき、沈黙に耐えられなくなるときがある。書くべき言葉の声が聴こえてこないことによる焦りが、沈黙を増進させる。それで、すぐYouTubeでAKBのPVとかナイツの漫才とか圓生とかアメリー・レンズのDJとか聴き始めてしまう。逃げているのだ。い…

朝から仕事に行って夜ぼんやり疲れて帰ってくる。この「ぼんやり」というのが、ほんとダメだなあ。めちゃくちゃサボったというわけでもなく、めちゃくちゃ仕事したというわけでもない。けれど、疲れている。スパゲティを茹でて柚子と食べる。23時から須田亜…

夕方までだらだらと過ごす。行きそびれていた病院にようやく。来週もういちど診察ということになる。 モトコーの古本屋をささっと覗いて、ぱぱっと安いのを数冊買う。帰りに、やはり病院に行っていた柚子と待ち合わせて、味香園で夕食。駅前でプリンを買って…

ゲーテの『親和力』を読み終える。とても面白い小説だった。これで、この小説をめぐって紡がれたたくさんの批評を読むこともできる。

名古屋市美術館の「ビュールレ・コレクション」展をみるつもりで家を出たが、きょうを逃すとギャラリー・パルクの麥生田兵吾展を見られなくなることに気づいて予定を変更。梅田から阪急で烏丸まで出て、傘を差しながら歩いて、ギャラリー・パルクまで行き、…

三年前のリクアワには入ることはできたが今年は仕事で行けないので、チケットも取れず。 帰り道にツイッターを覗いていたら、松村香織が卒業を発表したのを知る。あとで、そのときの動画がアップされていたのをみた。湿っぽくならないようにだろう、大声で「…

ようやく酷な夏の暑さが過ぎたような気がする。 夏の間は何もできない。ひたすらだるくて、頭が廻らない。何もしたくないので、サボれるならサボるし、サボるとまずいところでさえサボりたくなる。帳尻を合わせるのが難しくなることも、しばしば。 ここ最近…

公演が終わってからも、犬塚あさなの言葉が残って、帰りの電車の中でぼんやり考えていた。 犬塚はきょう、山田樹奈のMCのうまさを褒めて、それは彼女が誰よりも空気を読めるからと云ったのだが、終わりの挨拶では、観客に向かって、推しメンがいるのなら、彼…

朝起きてゴミを棄てる。 今日は「しま」がちょっと距離をおいて、ずっと近くにいる。私が別の部屋に行くと、いつの間にか同じ部屋のなかにいる。私にべたべた触られないようにしているけれど。 出かけようかと思っていたけれど、やっぱりやめにして、借りて…

朝から町内会の溝掃除。その後慌てて仕事に。 仕事を終えてから映画を見に行こうと思うが、何となく今日は諦める。駅まで行くと電車がずっと止まっていて、とても間に合わなかったので、諦めてよかったと思う。先日久しぶりに聴いた《弦楽四重奏のためのプロ…

朝からものすごい雨。ずっと家にいる。 『ブレードランナー2049』はちょっと不思議な映画で、あの『ブレードランナー』の続篇であるというよりむしろ、そういう材料で拵えたディックの原作の再映画化にもみえる。何しろ「情動オルガンから、自動目覚ましが送…

ISの連中の野蛮さにうんざりしているというようなことをずいぶん前に書いたけれど*1東大の食堂の壁に掛けてあった宇佐美圭司の絵をカッターで切り刻んでゴミとして棄てた、というのを知って、ほんとうに嫌な気持ちになる。一緒じゃないか。まるで。 *1:http:…

いわゆる現代美術のギャラリーに展示を見に行くと、ギャラリストとかキュレーターが寄ってきて、「作家のお知り合いですか?」と訊ねてくることが多い。こちらはただの好奇心で見にきているだけなのだから、すぐに仲間にするのはやめてくれ、仲間しか見に来…

ティル・フェルナーの弾く《平均律》の「第一巻」を久しぶりに聴いたらあまりの巧さに驚く。あらゆるものが死に絶えた空間のなかで、嘗て存在した生命たちに向けて響いているような音楽。唖然とする。ECMから出ているこのCDを買ったのは何年も前だし(まだ「…

韓国から送られたらしい「日本の民主化を応援しています」というツイートをみた。もしかしたらグーグル翻訳を使っているのかもしれないが、真情溢れるいい言葉だと思った。しかし、おまえはけっきょくまだ日帝の宗主国の意識なんだ、韓国とか朝鮮を蔑んでい…

生の人間が眼の前で動いているのをみたくて芝居にゆくつもりが、ぼやぼやしているうちに開演時間に間に合わないことに気づく。諦めて職場に少しだけ顔を出して、新開地を湊川のほうにぶらつく。上崎書店の本店を漁って(店主の足許に猫が蹲っていて可愛いで…

仕事はもちろん終っていないが職場にだらだらいても疲れていらいらしてくるだけなので、さっさと帰路。近所の本屋の「ドイツ文学」の棚を何気なく眺めると、その隅に、買いそびれて、いつの間にか本屋からなくなってしまったイェリネクの『光のない。』が刺…

朝起きて疲労困憊しながら書き上げて風呂に入って仕事に行く。帰ってきて柚子がつくってくれたミートソースでスパゲティを茹でて、ふたりで食べる。 肩から背中がばきばきでとにかく眠るしかない。眠る。 ツイッターは大嫌いなのだけれど、おなじようなこと…

実家の近くの散髪屋に行って髪を切る。地主に土地を返すときには更地にせねばならず、家をぶっ壊すのも数百万かかるというような話を聞く。堂島のジュンク堂から梅田のタワレコをぶらぶら覗いて、しかし何も買わずに帰る。柚子が買ってきてくれたピザを食べ…

朝、風呂のなかで『ゲルマントの方』を読んでいる。 深夜のシャルリュス邸での「私」のシルクハット八つ裂きのあとは、いきなり出てきたスワン氏が「私はもうすぐ死ぬので」みたいなことを云い出して驚くが、どうしても仮装舞踏会に行きたいパリピの公爵夫妻…

『ゲルマントの方』を蒲団でだらだらと読んでいる。じぶんのブログを遡るなら、2008年ごろ読み始めて、翌年も少しだけ読んでそのままにしていて(たしかサン=ルーの駐屯地を訪ねるあたりだ)、2016年に再びほんの少しだけ読み進めたことが判るプルーストの…

昼前に起きてきて時代劇専門チャンネルで『御家人斬九郎』を途中からみていたら(「士官の罠」)火鉢を囲んだ蔦吉と斬九郎が火箸を取り合うチャンバラじみたやりとりから蔦吉がべーっと舌を出すまでの、めちゃくちゃかわいいけどすばやいアクションのショッ…