日録

ずっとコムデギャルソンの二つ折りのファスナーなしの財布を使っているのだがもうくたくたになっていて、しかしどうしても気に入るものがなく、そのままにしていたのだが、先日、梅田の阪神の七階で見て、久しぶりにとてもいいと思ったものがあり、調べたら…

朝から健康診断。準備万端で行くが、昼前に終わるとくたくたになっている。検査の待ち時間には村上由鶴の『アートとフェミニズムは誰のもの?』を読む。すらすら読めるが、「アートワールド」の「社会化(しつけ)」のくだりなどで、やはりハッとさせられる…

帰宅してから慌てて晩ごはんを食べる。明日は健康診断があるので、21時までに食べ終えねばならないからだ。蒲団に寝転がって丸山眞男の「肉体文学から肉体政治まで」を読んでいると少し眠ってしまう。U君と零時過ぎまで話す。

昼前にだらだらと起きると柚子から「しま」が昨夜からちょっと調子が悪かったことを聞かされる。土曜だが、いつも行く動物病院は一日開いているらしく、まだ午前診察が間に合う時間だったので、慌てて準備をして「しま」をリュックに入れ、三人で歩いて病院…

仕事のあと、堂山のディスクユニオンでCDを引き取ってから環状線で福島まで出て、ザ・シンフォニー・ホールの日本センチュリー交響楽団の第278回定期演奏会(指揮は飯森範親)を聴く。開演前にロビーで、ユースオケのメンバーがリゲティの《六つのバガテル》…

神島二郎を読んでいるうちに、丸山眞男をおさらいしておかなければと、いちばん軽い『丸山眞男セレクション』を引っ張り出してきて、「超国家主義の論理と心理」を電車の中で読みはじめる。通勤鞄の中には、返事を書くつもりで、頂戴した年賀状も入れてある…

帰宅すると寒さのせいかもう眠くて眠くて、届いたばかりのフィリップ・オードワンの『シュルレアリストたち』を持って蒲団に入るが、数頁も読まないうちに前後不覚。

このところずっと家で溜め込んだ大島渚のDVDを見ているだけだったので、久しぶりに映画に行こうと思うが、もう今何をどこでやっているのかも判らない。あれこれ調べながら洗濯機を回す。風呂に入って、午後から出かけて、シネ・リーブル神戸でケリー・ライカ…

今日から仕事。蒲団の中で本を読んで、そのまま寝て、また読んで、の繰り返しは最高だったが、久しぶりに仕事に行くと、やっぱり仕事に行っていないと私はおかしくなるなと思った。 中原弓彦の『世界の喜劇人』を読み終える。いい批評文を読んだなあとつくづ…

ぐずぐずと休み明けの仕事のことなど考えだして眠ってしまったせいで、あれこれって夢じゃなくて本当だっけ?あとで手帖確認してみなくっちゃ式の重ったるい変な夢を見て起きる。 午後過ぎから柚子と実家に。家の中の猫たちは四匹になっていた。

今朝も「しま」はいつの間にか寝室にやってきていて、窓際で眠っている尖った耳の先がふたつ、その下で寝ている私には影絵のように見える。「しま」とふたりで柚子より先に起き出して、あんぱんを食べて、お重を引っ張り出してきてお節を突く。TVでマキノ雅…

今年は辰年だ。 風呂に入ってまた蒲団に潜り込んで中原弓彦の『虚栄の市』を読んでしまう。語り手に手を曳かれて、1960年代の東京の前衛やらメディアの薄暗い盛り場を笑いながら眺めて、ぐるぐる降りてゆくうち、すごく残酷で冷え切った底に連れてゆかれ、取…

朝は「しま」に起こされる。蒲団に潜って小林信彦の『1960年代日記』を読み終える。昨日三人と話をしていて、私はやっぱり大島渚のつかみどころのなさについて話したのだが、大島渚だって何だって映画は映画だ。そこに映像として在る限り必ずつかみ取ること…

夕方になってから出かけて、阪急東通商店街の焼鳥屋で帰省してきたN君とM君Iさんと会う。

十月の末ぐらいからずっとぐずぐずと左下肢の脛やら尻やら腰やらが痛い。整骨にはひと月通って、そうとうましになったのだが、どうしても脛と尻のピンポイントの痛みがなくならない。月曜に鍼で「坐骨神経痛に似たような症状だ」と言われて、整形外科に行か…

隣町の本屋にはまだ中公文庫の大島渚は入っていなくて、うぐいす餅をふたつ買って帰宅。夕食のあとひとつ食べる。柚子は暖房の前でうたた寝している。洗濯物を夜のベランダに干す。「しま」がベランダに出てくるが、私より先に部屋の中に戻る。森崎東の『帝…

「松濤美術館で見たしわざわざ出かけなくていいか」と思ったが今日を逃すともう見られないので、昼過ぎからぐたぐたと出て、市立伊丹ミュージアムで「牛腸茂雄写真展“生きている”ということの証」を見る。これは見ておいてよかった。プリントもサイズも最高…

集めた大島渚の本をあれこれ読み散らしながら神島二郎の『日本人の結婚観』を読んでいる。 ヤングのブルックナーの《三番》を今日も聴いている。ちょうど第二楽章の終わりで階下から晩ごはんに呼ぶ柚子の声。 もう芥川賞の候補者の名前を一人も知らないよう…

パルシネマしんこうえんで三隈研次の『とむらい師たち』のトーク。ガンメンの最初の仕事で三隅は、写し取られた死顔と写し取ったデスマスクの顔をひとつのフレームの中に収めている。この関係で言えば、葬博は万博のデスマスクである。この映画を見て、《太…

真夜中にアバドとイザベル・ファウストによるベルグの《ヴァイオリン協奏曲》を聴きながら先日撮った写真を選んでいる。とても厳しいがとても甘い演奏。

大島渚の『忘れられた皇軍』で《チュニジアの夜》が使われていたので、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズの『At the jazz corner of the world』の一枚目を堂島のディスクユニオンで引き取ってきたらとても良くて、繰り返し聴いている。

朝起きてTVを点けたらすかんと寒い空を背景に、斜面を滑り降りてくる男を少し離れて捉えている、いい黒白の映像が映っていて、思わず凝視しているうちに男は三國連太郎で、これは内田吐夢の『飢餓海峡』だと判る。ずいぶん前に見たのだが、もうすっかり忘れ…

大阪中之島美術館で《テート美術館展 光》を見る。いちばん楽しみにしていたブルース・ナウマンが大阪には来ていなくて大変がっかりする。

古本屋から安く買った本が届く。鉛筆で傍線がやたらと引いてある。真面目なバカだったらしく、それなりに分厚い本なのに、どうでもいいところに引いてある傍線が終わりまで続く。IVEの『MINE』をリピートで聴きながら、消しゴムで消してゆく。大江健三郎が小…

柚子は免許証の更新に出かける。私は来年らしい。朝からとても気持ちよく晴れていたので「しま」がベランダに出ようと鳴く。硝子戸を開けて私は縁に坐り、大島渚のアメリカでの、戦争映画についての講演録「戦後五十年映画百年」を読む。「しま」は温まった…

箕面まで出る。めったに来ることがないので、箕面温泉スパーガーデンまで行ってみる。何となく子供の頃、この山道を歩いた記憶がぼんやりあるような気もする。西澤文隆の設計の、とてもいい建物。中に入っているボーリング場に繋がる階段の手すりの側面が、…

本屋で取り寄せた『シナリオ』の2023年9月号を引き取ってくる。田村孟の『飼育』のシナリオが載っている。石堂淑朗が「わが敵大島渚」で、「大島作品の撮影では、撮影の進行と共に脚本が変更され、脚本は撮影終了と共に完成する、という傾向であった」と書い…

柚子と一緒に動物病院に行く。「しま」の薬を処方してもらう。 仕事に行く柚子と途中で別れて、ぶらぶらおそらく通ったことのない道を辿って、民家がごちゃごちゃと建て込んでいるあたりを家のほうに帰りながら写真を撮る。面白い感じの場所になって、ぱちぱ…

朝とても早く眼が覚めて、大島渚の『天草四郎時貞』を見る。 IVEの《Off The Record》のMVもとてもいい。 朝からリュックに「しま」を詰めて歩いて病院に。血液検査をしてもらう。いやいや入れられたリュックに、診察が終わるといつも「しま」は自分からすっ…

朝から「しま」が盛大に吐いて、出勤前の柚子と片づける。その後、お昼にも、もういちど吐いて、朝はほとんど水ばかりだったが、今度はそれなりの大きさの灰色の毛玉が出ていた。 居間で大島渚の『飼育』を見る。『日本の夜と霧』のあとの混乱の情況の中で、…