- リスト『ピアノソナタロ短調と後期小品』ヴァレリィ・アファナシエフ(ピアノ)
- 『ベルク「ヴァイオリン協奏曲」、バルトーク「ラプソディ第1番、第2番」』指揮:ピエール・ブーレーズ、BBC交響楽団、イェフディ・メニューイン(ヴァイオリン)
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- 現代音楽の守護聖人たち、いわゆる新ウィーン楽派の面々では、やはりアルバン・ベルクがいちばん好きだ。シェーンベルクはどうも苦手だ。ウェーベルンは大好きだが、彼の書いたものはどれも短すぎる。ベルクを最初に聴いたのは、御多分に洩れず『ヴォツェック』(指揮:クリストフ・フォン・ドホナーニ。途中で録音が止んだ彼の『指環』は、何がそんなにも酷かったのか?)だったが、まるで救われない陰惨な物語と、怖ろしく美しい音楽の結びつきに、夢中になって幾度も聴いたものだ(ワーグナーのオペラに比べりゃ随分短いしね)。
- きっと今年こそ、ムージルの『特性のない男』を読み切ろう。
- ピエール・ブーレーズを見ると、いつも高校のときの物理の先生を思い出す。禿げている、と云うだけではなくて、とてもよく似た風貌だったのだ。いや勿論、おでこの具合が最も似ていたのだけれど。
- ラジオを聴く習慣を、すっかりなくしてしまったので、去年のバイロイトでブーレーズが振った『パルジファル』は聴きそびれてしまったが、なかなかの演奏だったそうで。1970年のバイロイトで彼が指揮した『パルジファル』は、1953年のクレメンス・クラウスのものと共に愛聴している。
- やい、クナはどうした、クナは!?の声が聞こえてくるが、再び御多分に洩れず、私も最初に聴いた『パルジファル』は大定番、クナッパーツブッシュのバイロイト1962年ライヴ盤である。ゆったりと動く雲海のようなその音楽に、すっかり魅了されたものだ。しかし、いつもいつもクナでは胃がもたれてくる。それでブーレーズのものを聴く。軽快である、実に気持ちがいい。ところが、しだいしだいにブーレーズでは食べた気がしなくなってくる。何でもっとどっしり振らないんだと、ないものねだりすら始める。そんなわけで私は、クナとブーレーズのアプローチの傾向を兼ねそなえ(ブーレーズ寄り?)、輝かしき新生バイロイトの粒揃いの歌手たちでオペラを聴く喜びを満腔に味わわせてくれる、クレメンス・クラウスの1953年の『パルジファル』を聴いていることがいちばん多い。
- 引越の荷物を作りながら『ブーレーズは語る』を斜め読んだが、彼は『ボリス・ゴドゥノフ』と『マイスタージンガー』を振りたいそうだ。どうせなら再び『トリスタンとイゾルデ』も振って、録音に残してほしいと思う。
- カルロス・クライバーの父親はエーリッヒ・クライバーではなく、実はアルバン・ベルクだと云う与太(!?)話。あれは何処で読んだのだったか。