きょう買った古書

  • 渡辺裕『聴衆の誕生−ポストモダン時代の音楽文化』(春秋社)
  • 中村祐吉『イギリス政変記−アスキス内閣の悲劇』(集英社
    • 著者は英文学者で戦後すぐの大阪府立図書館の館長。第一次大戦の頃の英国の政治史の本であるが、とてもよい文章である。まえがきに、この本の出版に尽力したのは常盤新平丸谷才一であると記されている。
  • よしながふみフラワー・オブ・ライフ』(第1巻。新書館
    • ほんと巧いよねぇ。
  • 景山民夫『普通の生活』(角川文庫)
  • 景山民夫『イルカの恋、カンガルーの友情』(角川文庫)
    • 20年程前の景山民夫が書いていた短い読み物は、洒脱で見栄っ張りで、とても良いのである。このごろ景山の本は専ら、古書肆の軒先のワゴンに50円やら100円で放り込まれているが、しかしそれらのなかには時として『ヨーロッパ退屈日記』や『女たちよ』などで伊丹十三が書いたものに匹敵するほどの、上品で巧みな語りの文章が収められているのである。その早い晩年に景山が入信していた宗教は、私にはなんだかよく判らないしくだらないなぁと呟いてしまうが、こういうものを書くひととしての彼は、確かに素晴らしかったのである。