『オペレッタ狸御殿』を観たッ!

  • Yeaaaaaaaaaaaaa!! 鈴木清順の最新作『オペレッタ狸御殿*1を観た。清順翁の新作を見られると云うだけで、まず幸せ。そして、期待に違わず、狂い咲いている。琳派からのゴージャスな引用もあり、思わず村上隆の「スーパーフラット」云々を思い出すが、清順翁のそれにはアイロニーの含有度がゼロなので、そう云った単なる観念からは易々とはみ出す異形の映画! 他の表現に翻訳不可能な、映画以外のなにものでもあり得ない映画!
  • 日々、無数の映像に曝されている私たちの目が驚くなんてことは滅多にない。しかし、そんなすれっからしの目玉を驚かせたついでに、口までポカンと開かせてしまう映像を、こんなにも飄々と撮りだす鈴木清順、やっぱり凄い。翁のフィルモグラフィのシッポのあたりとは云え、同時代にその映画を観られることができる幸せを、噛み締める。ありがたや、ありがたや。
  • 脚本は、浦沢義雄。嗚呼、遂に鈴木清順が浦沢の脚本で撮った、と云うだけで、私は感無量。「愛ある限り戦いましょう!」と云う決め台詞の、『美少女仮面ポワトリン』と云うケッタイなテレビ・ドラマを御記憶の方もおられるのでは? あのシリーズの脚本を書いていたのが、ぶったまげナンセンスの巨匠、浦沢義雄。ちなみに『ポワトリン』には、鈴木清順が「神様」の役で出演していた。
  • その浦沢が『ポワトリン』の後に全編の脚本を手掛けたドラマが、『うたう!大龍宮城』。タイトルだけでお判りだろうが、まさに『狸御殿』チックなナンセンス・ミュージカル・コメディだった。
  • 清順翁の演出の意味はさっぱり、と云う顔も少なくない出演者たちだが、それでも皆な心底から愉しそう。特に、由紀さおりの演じる「びるぜん婆々」が、すこぶるチャーミング。薬師丸ひろ子と壮絶な妖術合戦を繰り広げ、堂々たるマイ・ウェイを歌い上げ、平幹二朗とは奇ッ怪なラップまで!! 最高である。今年の助演女優賞は断然、由紀さおりで決定だっ!
  • 取りあえず、観てください。としか云えない映画。
  • 試写室は満席で、そのなかには、さてみなさん浜村淳氏のお姿も。ぽつぽつと試写室に通うようになって以来、遂に遭遇した。おお。