2005-06-09 アナーキー・イン・ザ・UK 日録 創元SF文庫の新訳『宇宙戦争』を読み終わる。火星人が死滅したのちの、静謐なる廃墟と化したロンドンの一連の描写の美しさよ。H・G・ウエルズの、じぶんの住む現在の英国(それはつまりヴィクトリア朝だ。森薫『エマ』の世界であるよ)を、徹底的に破壊し尽くしたいと云う願望だか妄想がてんこもりで、大変読み応えがある。ラストの、夫婦の再会シーンで、思わずほろっときてしまった。西島大介の『凹村戦争』では主人公のひとりに「つまんねえ小説」と評されていたが(笑)。 『ブーレーズは語る』を読み始める。