彷徨う一日

  • 実は私は、神の存在は信じている。と云うと抹香くさくなるが、私たちの理(ことわり)を超越している何物かは在る*1と信じている。キューブリックの『アイズ・ワイド・シャット』は、そういうような「神」を描いた映画なのではないかと思った*2

*1:その「在る」は、私たちに十全に知覚できるような「在りかた」ではないはず。充分に知覚でき、私たちの理解が容易な存在様式を取っているのならば、それは結局、私たちの「理」の世界に属するものになってしまうからだ。例えばハイデガーが「存在」と「存在者」を徹底的に峻別したのを想起せよ。

*2:他に有名な映画としてはポール・トーマス・アンダーソンの『マグノリア』もそうだろう。