試写と自腹と

  • 試写で『皇帝ペンギン*1を観る。『WATARIDORI』のときもそうだったが、映像はスゴイ(何しろ延々とエンペラーペンギンばかりが映るのだ。それだけで大変気持ち良い)のだが、音楽のセンスが最低。ナレーションが過剰。素材の良さが台なし。こんなに良い絵を撮っているのに、無声映画の字幕のようなものを付けるだけで、何故満足できないのか。ちなみに、繁殖期の求愛のダンスの撮り方が、まるでマイケル・ニン*2のポルノを観ているような猛烈なエロさで、苦笑しつつ勃起する。さすがフランス映画。まさかペンギンのラヴ・アフェアでエレクトさせられるとは!
  • 仕事を退けてから柚子と待ち合わせて、ウェス・アンダーソンの新作『ライフ・アクアティック*3を観る。総てが出鱈目な、だが驚異的に美しいストップ・モーション・アニメによる海洋生物たちと、川口浩探検隊の悲喜こもごものふたつを眺めながら、父親になることに踏み出せなかった男の心に、ふかぶかとしんみりする。やはり、男の子は皆、やがて「父親」になるべきなのだろうか?