コンラッドのヴィクトリアン・ノワール

  • コンラッドの『密偵』を読み終わる。ヴィクトリアン・ノワールとでも云うべきか。
  • 大英帝国と云う名の怪物の胃袋であるロンドンに犇く、最底辺から上層階級に至るまでの、気まぐれやら私怨やら腹の足しにもならない理想やらに取り憑かれた豚たちが、湖に向かってぶひぶひ云いながら飛び込んでゆく。
  • 大変勉強になった。コンラッドは『闇の奥』に端的に現われているが、やはりその「徹底ぶり」が良い。
  • 会社の近所のスターバックスで新訳の『ロリータ』をさっそく読み始める。新作のホワイトチョコレートモカはさほど旨いとは思えなかったが、『ロリータ』は絶品。
  • 率直に云えば、若島正は世評ほどの名訳者ではないと私は思っている。だが、この後は是非『アーダ』の新訳を頼む。
  • S氏、本日で退社。朝の退職の弁のときから終日浮かれっぱなし。今日まではまだこの会社の一員なのに、挨拶のなかで「御社」を連発。彼が退社してから社長と爆笑する。
  • 帰宅後、カラヤンが振った1952年バイロイトの『トリスタンとイゾルデ』を久しぶりに少し聴く。バイロイトの『トリスタン』はサヴァリッシュの幽玄な演奏やカルロス・クライバーの爆演も大好きだが、やはり最初に指を折るのはこれだな。