黴臭い本だった。

  • 会社の近所の某大型古本屋をぶらり。
  • 寺崎裕則『音楽劇の演出』、読み終わる。大変真っ当な主張が溢れる本なのだが、じゃあこの寺崎氏の舞台を見てみたいかと云うと、どうも生真面目が過ぎるようで、私の趣味ではないような気がする。
  • 氏の別の本をぱらぱらと読んだとき、ずいぶんハリー・クプファーは買っておられるようだったが、例えば現在の、ペーター・コンヴィチュニーなどはどう評価してるのか? 
  • オーソドックスなオペラ演出、なんて云っても、例えばメトロポリタン歌劇場みたいなト書きのまんまな舞台づくりがそうなのかと云えば、実際にはあれは、アメリカ人の保守的な紳士淑女がお好きなスタイル、なわけで。
  • じゃあ現代に於いて、意義のある演出って何だ?って云えば、とどのつまりが、オペラなんて時代錯誤な代物をいま上演することの意味をちゃんと考えていて、さらにオペラと云う表現が持つ魅力とか、表現の器としての意味や大きさを押し拡げているもの、なんじゃないかと思うのだが。寺崎氏の演出には、それはないと云う気がする。
  • ついでに云えば、私の志向するところとはまるで方向の異なるこの本を凄い凄いと云っている歌手が主導するオペラの企画に、私がこれ以上絡む意味はないんじゃないかとつくづく思う。
  • トーマス・マンの『魔の山』と、同僚から借りた『デスノート』を読み始める。後者は、小学生か中学生の頃に読んでたら好きだったかも。云わば、私にとっての京極夏彦の小説のような。
  • 夕食を取り、風呂に入ってから『立喰師列伝』の試写用ヴィデオを観るつもりだったのだが、先日から書き進めているメモに手を出したら終わらなくなり、メモも終われず映画も観られずと云う最悪の状態で気がつけば三時。なあに五時に起きるさと蒲団に潜り込むが、目覚めれば七時だった。馬鹿。