アーサー・ケインは幸せな男

  • 試写で『ニューヨーク・ドール』*1を観る。ニューヨーク・ドールズのメンバーだったが故の、なんとも残酷で、同時に、なんとも幸福だった或る男の晩年を描いたドキュメンタリ映画。再結成ライヴの舞台に出る直前に、メンバーを代表して、この男が捧げる神への祈りは、あまりにもシンプルで、思わず目頭が熱くなる。
  • 帰宅後、『アワーミュージック』のDVDをBGVみたいにしてずっとモニターに流しながらぼーっと観たり観なかったりしながら観る。なんと云う頽廃! 
  • 私は『愛の世紀』のぎちぎちに張り詰めた美が大好きなのだが、このゴダールも非常に良い。晩年→諦念と悟り→枯れる→終わる。と云う類型を踏みにじるのが逞しい。つまり、極彩色の花畑とビーチバレーのビキニの尻に象徴される多幸感が素晴らしい。