賢くならない教養小説

  • 仕事を退けてから、三宮のスターバックスに入り、『魔の山』を読む。
  • 後半に入り、遂にナフタ氏が登場。ルカーチがモデルだそうだが、この先生、面白すぎる。小栗虫太郎の小説に出てきそうだ。
  • しかしこの小説、我等がハンス・カストルプ君はこれだけの頁を費やして「お喋りになった」だけで決して賢くならないのが良い。「気付かれもせずに流れていく永遠の時間」に支配されたアルプスのサナトリウムの中で、彼の思考の断片は止楊も体系化もされず、ぐるぐると「鬼ごっこ」するだけなのだから。