- 終日、家でグタグタと過ごす。ホルスト・シュタインが1970年*1にウィーン国立歌劇場で振った『トリスタンとイゾルデ』の実況録音(LIVING STAGE)を聴く。歌手も総じて悪くないし、ホルスト・シュタインの指揮はたっぷりと歌い上げながらも構築力が冴えていて、だらっと崩れることがない。大変な好演であった。こんなのを実演で聴けたら拍手喝采だろうなあ。
- 名盤であると云われる、ベームの1966年バイロイトの『トリスタンとイゾルデ』を指して、大変情熱的な演奏と云う評があるが、あれは私にはイッたふりをしているだけの演奏にしか聴こえない。つまり、イケなかったことを隠すために、ことさら大声であえいでいるだけの演奏なのだ。不感症の音楽だ。私にはベームの振るオペラは、どれも良さがさっぱり判らない。ベームがそれのオーソリティだと云われる『影のない女』を聴いたときも、酷いとしか思えなかった。
*1:パッケージの記載ではこうなっているが、どうやら1976年が正解のようだ。