- 朝、会社に出掛ける前に風呂に入りながら、ぼんやりと、細田守の『時をかける少女』は、押井守の『うる星やつら2』ではなく、同じ「2」でも『劇場版パトレイバー2』なのではないかと思う。過去(戦後と云い換えても良いだろう)の修正と、それでも残る悲哀。そして、幾らでも修正が可能なはずの未来は、何故か滅亡に瀕している。あったことを、なかったことにはできない。其処には必ず残響が、デリダに倣って云うなら「灰」が残るから。
- 細田守の『時をかける少女』を、「戦後」なるものの総てを、書き換えたくって仕方がない現在のわれわれの状況を巡る映画であると読んでみることは、非常に有効ではないか?
- 阪神百貨店前の萬字屋書店で、久しぶりに古書を買う。
- 八時ごろ仕事を終え、三宮のダイエーのウェンディーズでカレーバーガーとチリをさっと食べ、そのまま隣のスターバックスへ。キャラメルフラペチーノのエクストラホイップ。居眠りをして顔なじみの店員嬢から失笑されたりしながら、滝本誠の『きれいな猟奇』を読み終える。素晴らしく面白かった。滝本誠ぐらいダンディズムを体現している文士は、現在の日本には、なかなか見つけることはできない(あとは佐藤亜紀ぐらいか。ダンディズムはスタイルであって性別じゃないからね)。
- 頁の隅を思わず折った箇所のなかから、見事なものをふたつほど。
つくづく思うが映画で訳がわかることに意味があるだろうか? そんなに訳がわかりたいか? あなたの人生が壊れ、意味などとっくに失っているのに。
- フランシス・ベイコン*1の人物画を評して
フランシス・ベイコンの偏奇人体が与える印象は、白人のくんにゃりと柔らかい男根の手触りと色彩だ。
- G・K・チェスタトンの『木曜の男』を読み始める。
- アストリッド・ヴァルナイが亡くなったそうだ。弔意を表する。
- 今晩から柚子はお出掛け。帰宅は日曜の晩なのである。
*1:代表作は殆どこのサイトに載っている。 http://www.francis-bacon.cx/