古本まみれの一日も、大霊界に続いている

  • 朝は定時に事務所に飛び込み、十時前には堂山のツタヤでヴィデオを投げ込み、そのまま中崎町から天神橋筋商店街天満宮の手前の国道で折り返し、扇町から阪急東通商店街を再び堂山へと戻る久しぶりの古本屋巡り。ポツポツと拾いものがあり、ビニール袋の持ち手が指に食い込む痛みも何のその、昼過ぎに事務所に戻る。
  • 飛行機の切符の振り込みを済ませる。先日ホテルへの振り込みも済ませたし、社長への了解も取ってあるし、どうやら本当にヨーロッパの某国へ独り旅することになりそうだ。
  • 七時前まで真面目に勤める。その後ダイエースターバックスに篭ってフィリップ・ジュリアンの『世紀末の夢』の残りを読み終える。サンボリズムの絵画は、複製技術としての写真と雑誌、博覧会としての展覧会、画廊などを通して、世紀末のヨーロッパ各地に拡がったわけだが、とどのつまりサンボリズムを「ここに取り出した夢また夢のかずかずは、いまも日常性の拒否として、立派に生きつづけている」と纏めるフィリップ・ジュリアンの筆致に痺れる。
  • ベルクハーンの評伝『ムジール』を読み始める。このひと、小説だけでなく、個人史も随分変わったひとだったのだな。長期の家族旅行には父黙認の母の愛人が同伴だの、親子間の徹底した非干渉の個人主義や母親との激しい確執なども興味深いところだが、ムージル本人も幼稚園から女の子を誘拐したり、イタリアやウィーンの精神病院へ足繁く通い、収容されている患者を見物して回ったりしていたそうな。世紀末ウィーンらしいなぁ。
  • 丹波哲郎が逝去。明石組の組長の役だった『仁義なき戦い』なんて写真でしか出てこないのに、ああコイツがボスならヤバイわと即座に思わせる雰囲気があったもんなぁ。また『沖縄決戦』でも観るか。丹波演技が爆発していると云われる『人間革命』が本当は観たいのだけれど*1

*1:DVDが出ていたのは知らなかった。学会の機関の直販かぁ……。しかし観たいなぁ。http://www.shinanokikaku.co.jp/sakuhin/DS-2.html