こどものためのポストモダン

  • 昼過ぎ、三宮で旅券を引き取る。
  • 講義を終えたM女史から連絡あり。本日から新学期だったとか。駅ビルの中の喫茶店でお茶しながら、海外旅行の達人の女史から数々の極意を伝授していただいたり、映画や本の話で駄弁る。M女史によるとニコール・キッドマンの美貌は少なくない米国人には「アグリー」な容貌と映るらしい。空の怪物かっつーの。判らんものだなあ。
  • 仕事を終えてから梅田中崎町PLANET+1*1へ行き、アルノー・デプレシャンの新作『キングス&クイーン*2を試写で見物する。映写機の調子が少し悪かったみたいだが、大変素晴らしかった。何でこんなに柔らかいフィルムを撮ることが、繋ぐことができるのだろう。『魂を救え!』も『そして僕は恋をする』も遥かに超えて、これはデプレシャンの最高傑作だと思う。黒沢清と同様の、やはり原理主義者の傑作だった。ダメな小父さんが10歳の少年にあれこれと語る最後のシーンは、譬えるなら鈴木博文の詞(「Don't Trust Anyone Over 30」)のようで、滂沱。
  • ところで、日本でデプレシャンの映画をやると必ず青山真治が引っ張り出されてくるのは何故なのだろう? 彼の映画ほどデプレシャンのそれと遠いものはないのだと思うのだが。
  • 23時過ぎに帰宅。柚子とふたりで、すき焼きの鍋をつつく。