- 義姉と姪、帰る。
- 雨。
- 夕方から独り、シネリーブル神戸*1でウディ・アレンの『マッチポイント』*2を観る。ドストエフスキーの『罪と罰』とドライサーの『アメリカの悲劇』をウラジーミル・ナボコフが現代のロンドンを舞台に、ぱりっと書き直したような映画で、堪能する。
- スカーレット・ヨハンソンが最初に私たちの目に触れるシーンのはっとさせられる美しさ(まず画面の外から声が聞こえ、次に姿が映る)。物語が進行して、妊娠してからの彼女の容貌は恐ろしく醜くなる*3。そして、最後に再び主人公の前に現れる際の、登場時に劣らぬ美しさ(やはり、まず声が聞こえ、姿が見える)。女性を愛しながら、かつ激しく憎んでいるキャメラが、とても面白い。
- さらに『マクベス』に『リゴレット』や『オテロ』やらのイタリア・オペラのアリアが流れまくりで、大変愉しゅうございました。
- ニューヨークで撮りたいものも撮れずに鬱々としているより、こんな愉快なメロドラマを撮ることができたのだから、ロリコンでロシア文学好きのウディ・アレンのアメリカ脱出は大正解だったわけだ。
- 出掛けていた柚子と待ち合わせて帰宅。
*1:http://www.cinelibre.jp/koube/
*2:http://www.matchpoint-movie.com/
*3:都合の悪い女になると、アメリカ娘は一転、ヨーロッパ男の邪魔者となる。そう考えると、この映画は殆どヘンリー・ジェイムズだな。彼もまた米国から英国に渡って、快適な創作環境を得た男だった。