三度目の『エリザベート』

  • 柚子と宝塚へ。またも『エリザベート*1を見物に。
  • 第二幕の初めでルキーニが出てきて客席をいじるのだが、珍しく客席から「可愛い!」と云う黄色い声が飛んで*2音月桂がすっかり照れて、次のルキーニの台詞に戻るのに一瞬手間取ってしまい、再び客席からどっと笑いが起きたのが印象的だった。
  • そろそろ宝塚では終演を迎える『エリザベート』だが、すっかり緊密なアンサンブルを構築して、完成形に仕上がっている。
  • 白羽ゆりエリザベートは、演技から迷いが消えて、彼女だけにしかできないエリザベートを演じている。今日は最初の「私だけに」がものすごく胸に迫ってきて、滂沱。
  • 水夏希とのコンビも、実に絵になるし、息の合い方も良さそう。芝居のあとのショウで、タンゴ風に編曲された「最後のダンス」をふたりで踊るが、それが実に見応えがあった。
  • 彩吹真央のフランツ・ヨーゼフ帝も見事に磨き上げられたし、たびたび書いているが未来優希の皇太后ゾフィ----ものすごく歌える役者なのだから、ウィーン版と同様、どうして「放浪の歳月」を彼女に歌わせてから、皇太后の死としないのか。ぜひ追加するべきだったと思う----など、他のキャストも文句なし。
  • 宝塚歌劇を見始めのころは、東京での上演のほうが芝居も演出もこなれて、宝塚(「ムラ」と呼ばれている)より出来が良いと云うのを聞いて、ずいぶん損だなぁと思ったものだが、宝塚では何度か繰り返し見ることで、すっかり完成してしまうまでの間の、芝居の変化が手に取るように判る。微細であったり劇的であったりする、彼女たちの芝居の変わり方や創意工夫のあとを、つぶさに眺めることができるから、やはりムラでの観劇はたまらないのだと、最近はつくづく思う。
  • 初めて行く元町のインド料理屋「プージャ」で晩御飯を食べる。

*1:http://kageki.hankyu.co.jp/revue/backnumber/07/snow_takarazuka_elisabeth/index.html

*2:宝塚の観客は、不思議なくらいお行儀が良いのだ。それに、確かに音月桂は、男役なのだが、マジで可愛いと思う。http://kageki.hankyu.co.jp/star/snow/snow_04.html