『グラインドハウス』を観る。

  • 昼過ぎから出かけて、用事を済ませてから、難波に。
  • たった一週間しか公開されない、しかもチケット代は3,000円と云う二本立ての『グラインドハウス*1を観に、「TOHOシネマズなんば」へ行く。チケットだけ先に取り、古本屋をぶらり。
  • ちなみに、グラインドハウスとは、新世界国際劇場やトビタシネマのような三本立て映画館のことだそうである。決して小奇麗なシネコンなどではない。
  • きょう映画館で観た予告篇のなかで、これは観なければと思ったのは、ソダーバーグの『さらば、ベルリン』と『クローズZERO』と『マチェーテ』、ニコラス・ケイジがフーマンチューを演じウド・キアーと共演する『ナチ親衛隊の狼女』。イーライ・ロスの『サンクスギビング』、そして『Don't』は特に愚弟が好きそうな映画だったので、これは教えてやらなければと思った。
  • まずはロバート・ロドリゲスの『プラネット・テラー』だが、オープニングの、ローズ・マッゴーワン演じるダンサーのエロいゴーゴーダンスから、ゴーゴーダンスに涙は要らない(It's GoGo not CryCry)と云われて、ボスに別れを告げて店を出るまでの一連の完璧さ。惚れ惚れする。
  • マーリー・シェルトン演じる女医の注射器さばきが見もの。焼肉屋と保安官の兄弟も悪くなかったが、双子のメキシコ娘のベビーシッターも良い。兎に角、私としては、これは初めから終わりまで「ダンス」しまくるローズ・マッゴーワンを鑑賞する映画だった。残念ながら私は、ゾンビ映画には殆ど関心がないので。
  • さて、クエンティン・タランティーノの『デス・プルーフ』は、大変素晴らしかった。タランティーノのヌキどころだけを集めたAVみたいな映画だったし、同時に、彼が尊敬する監督ひとりである、ゴダールが撮った映画のようでもあった。
  • グラインドハウスな上映環境を再現(実現?)するため、フィルムが一巻ヌケてしまう箇所があるのだが、その場所も此処しかないなと言うところでキメられていて、さすがだった。「THE END」が出た瞬間、思わず拍手してしまった。カート・ラッセルも素晴らしいかったが、兎に角出てくる女優たちが皆、最高であった。
  • バニシング・ポイント』は必ず観ようと思った。
  • しかし、どちらの映画もとっても'70年代テイストなのだが、携帯が出てくるし、特に『デス・プルーフ』では、チェイスを繰りひろげるクルマ以外は、まるでもっさりとした現代のクルマなのだ。それはまるで、'70年代の亡霊が現代に復讐しに現れているかのようである。
  • グラインドハウスなどもう殆どなくなってしまった現代の映画を巡る状況のなかで、とても個人的な戦いを繰り広げているタランティーノは、もしかすると、ゴダールに最も近い場所にいる映画監督なのかも知れない。
  • 兎に角、大満足であった。