おもろいひとたち。

  • 第四回「堂山カンタービレ」。今回もMR邸にて。
  • 出掛ける前に、久しぶりにひっぱり出してきたマルティン・クシェイ演出の『ムツェンスク群のマクベス夫人』を第2幕から観るが、やっぱりこれは凄い。図抜けているのはやはり、ヒロインのカテリーナを演じるエーファ=マリア・ヴェストブレーク*1であり、最高だが、他の歌手たちも実に良い。附録のドキュメンタリィを観ると、まるで国鉄職員のような顔をしているマルティン・クシェイの演出は徹底的にクールで、装置のマルティン・ゼヘトグリューバーの仕事も素晴らしい。マリス・ヤンソンスのタクトが作る音楽も諧謔と残酷の間を気持ち良く動く。日本語字幕がないのだけが瑕瑾だが、絶対に観るべきオペラのDVDである。
  • しかし、こんな傑作を書いたとき、ショスタコーヴィチはまだ26歳。まさに「ソヴィエトのモーツァルト」である。
  • 珍しく遅刻せず待ち合わせ場所に着き、I嬢と文鳥の話ほする。皆でKB君を待ち、ずいずいと歩いて「彩色らーめん きんせい」へ。カウンタに置かれたTVで、沢尻エリカのことをワイドショウが熱心に取り上げている。「どうしてこんなことに!?」と小さなTVが問うと、MT氏が「21歳だからでしょ」と。納得。私はラーメンよりもトッピングの卵が旨かった。
  • MR邸へ。彼は今、ゴダールとケージを再び集中して聴取しているらしい。ベアート・フラーのオペラを初めて聴かせてもらう。
  • 彼らの師である川島素晴の録音を聴きながら、その進展と共に勢いよく楽譜を捲ってゆく、M2とI嬢の三人の目と指の様子が、喜びに跳ね回る小動物みたいで、傍から見ていてとても面白いのだった。
  • 姑の病院へ行かねばならず、学校へ顔を出すと云うKB君と共に早退。残りの諸氏が駅まで送ってくれる。感謝。車中、梅田までKB君とぽつぽつと駄弁る。
  • 担当医と合う。かなり熱心にやってくれている様子の医師だが、ちょっと他人と喋るのが苦手なふうで、こちらの軽い質問に勢い込んでじぶんの立場を説明しようとするところはあるが、それほど悪い印象はない。しかし、黒子からちょろりと延びる髭の剃り残しがちらちら気になって目が吸い寄せられて仕方がない。
  • 検査の結果は大腸ガンではないとのこと。つまり肺ガンであろうと云うことだ。その検査の際に撮られたらしい、姑の大腸のなかの写真さえ見せてくれる。「あ、ちょっとポリープがありましたのでこれは取っておきました」とのこと。末期ガン、あと数ヶ月で「ターミナル」でもポリープは取るんだと、妙に可笑しくなる。取りあえず明日、これまで姑が通院していた隣町の病院で受診とのこと。
  • 夜、きょうどうだった?と問う柚子に、ちゃんと説明を訊いてこなかったのは私で、しかも彼女が執拗に問うたわけでもなかったのだが、ふとした拍子に声を荒げてしまう。猛省。仲直りをして夕食。

*1:http://www.eva-maria-westbroek.de/de/index.html 調べると来年の大野和士のモネ劇場退任公演『運命の力』に出るじゃないか!! うわー観たい!!