ずっとバス。

  • 朝起きて、柚子と電話で少し話し、東京に出て高速バスに乗り、帰路に。車中、この頃あちこちへ行くとき携えている文庫本の小林秀雄を読んだりしながら、小林敏明の『廣松渉』を読み終わる。そのまま廣松渉の『世界の共同主観的存在構造』を読み始める。小林敏明のクリティカルなガイドのあとだからだろうか、するっと入ることができる。こんな構えの大きな哲学書を読むのは久しぶり。デカルトの『方法序説』を思い出す。

認識論は、もはや「意識の命題」を単に放棄するという域をこえて、同時に存在論としての権利を保有しつつ、歴史的実践の構造を定礎する"歴史の哲学"の予備門として、その一契機となる。ここにおいて、われわれは、共同主観的な対象的活動はいかにして自己を物象化するか、これの構造を究明しつつ、しかも同時に、いわゆる「物象化の秘密」(『資本論』)を認識論に解明すること、これを課題の一斑としなければならない。

  • 梅田に着いて、柚子の御所望の苺ケーキと、近所のスーパーでマッシュルームの罐詰を買い、帰宅する。柚子と、彼女が作ってくれた豚肉とレンズ豆とマッシュルームの白ワイン煮込みを食べる。とても旨かった。