先斗町でも堂山町。

  • 家事を片づけ昼過ぎから出掛けて、河原町に。古本屋などをぶらぶらと回り、陽が落ちる前にカンタービレの諸氏と落ち合い、鴨川のたもとのスターバックスへ。
  • I嬢とM2両氏は天ぷらと盛り蕎麦を食べてきたそうで、羨ましい。
  • KB君の到着を待って木屋町通りをずいずいと上って、「はいから屋」と云う居酒屋に転がり込む。
  • カンタービレの諸氏と呑んだり話したりするのは気持ちがいい。兎に角、皆、すっきりとしているのだ。
  • 簡単なことを云っているようだがそれを書かせるとひどくこんがらがっていて難解で、であるなら見掛けと違ってあなたは簡単なことを云っているのではないのだろうと、MR氏に指摘される。MT氏は大森荘蔵を読んでいて、時折浮かべる眉間の皺が映画のロッタちゃんのように愛らしいI嬢は作曲を、なぜ或る音から始めるのかに就いて、直感などと云う便利な言葉以外の何かで懸命に探していて、KB君は相変わらず頭が固くて、どうやらトラウマを与えるような小学生教師になりたいらしい。そんなKB君を説き伏せようとして、百戦錬磨のMR氏、しかし驚くやら呆れるやらで、すっかりくたびれていた。宮澤賢治のようなひとになりたいのかとKB君に訊ねると、そう云うことではないそうだ。
  • しかし小学生教師なんてものは、まず、各教科のイロハの読み書きを粛々と教えるのが先だと思うのだ。
  • こんなふうに思うのは、私が小学生で最も鋭敏だった時期にクラス担任だった男性が、あまりに愚昧で、授業よりも教壇でギターを掻き鳴らすことに情熱を傾けるどうしようもないアホウだった所為だろうか? 
  • 私の終電とI嬢の門限が近くなったのでお開きにして店を出て、私やM2両氏が駅へ向かおうとすると、KB君がI嬢をほっぽらかして、われわれと同じほうを向いて歩き出す。次の日、I嬢が呉れたメールを読むと、そのときKB君は彼女を送ってゆくようなことをすれば、われわれから冷やかされたり批評されると思ったのだそうだが、このときのKB君の白々しい行動に、I嬢が「ばっかじゃない!」と書いてみせたのは、まるで正しいと思うのだ。そんなことで、嫌みごとを云ったりしないのに。
  • ふたりと店の前で別れ、M2両氏と電車に乗る。作曲のこと、カフカと云うひとの出現の謎に就いて、話しながら。