忌明け。

  • 姑の四十九日。快晴。義姉夫婦と姪の他にも、親戚がきてくれる。坊主の読経の後、皆で近所の鮨屋に。家に戻ってしばらくすると、私の実家からも祖母と母、妹がやってくる。
  • 妹に持ってきてもらった弟の『のだめカンタービレ』の第20巻を読む。ラヴェルの「ピアノ協奏曲」が、のだめによって「発見」されて(「パーン!」)、そうかそうかと思いながら段ボール箱を掻き回し、チェリビダッケミュンヘン・フィルとミケランジェリが共演した'92年ののライヴ盤を引っ張り出してきて聴く。柚子と結婚式を挙げた次の日に買ったはずの、海賊盤スレスレのCDだが、何度か聴いて放ったらかしていたが(私は、こんなのばかりだ)、久しぶりに聴くと、いい。ラヴェル以降の、彼からも濃厚な影響を受けただろう音楽(主に日本人作曲家の)をずいぶん聴いた所為で、ラヴェルを聴く耳ができた、ということか。
  • 森崇博君*1から新作「音楽の遺骨」をデータ便で送ってもらい、CDRに焼いて、スピーカーで聴く。私が聴いた彼のこれまでの作品は決して多くないが、そのなかでは、私はこれが最も好きだ。ものすごく緊密な響きが、幾重にも層になって、雲海のよう。音の層のそれぞれは、対話しながら動き続けている。そして雲海はその裡に、夥しく雷と雨を含んでいる。冒頭と終わりにするりと現われる、ピアノ。それは雷鳴のようでもあり、雲間から挿す光のようでもある。非常にストイックに音楽に向き合っている彼の裡で、再び何かが変容し始めているのだと思った。
  • 四十九日が終わると疲れが出るから気をつけてあげなきゃ、といろんな人に云われていて、そんなものかと思っていたが、皆が帰ると柚子が蒲団に潜り込んで、殆ど次の日の朝まで、ずっと眠っていた。朝になるとすっきりと元気になったようで、良かった。