『殺人の追憶』を観る。

  • 夜、ポン・ジュノ監督の『殺人の追憶』をDVDで観る。傑作。
  • 未解決事件の映画化と云う条件(犯人をずばりと指摘したり逮捕すると云うカタルシスは決して得られない)を逆手にとって、まぎれもない現代の映画を作り上げている。その横顔を見せていた刑事がいきなり画面のこちらを、真正面から覗き込み凝視するショットが、非常に効果的に使われているのは偶然ではない。
  • ワンカットの長廻しの効果的な使い方も、黒沢清などと同じ問題意識で、ポン・ジュノが世界を捉え、新しい映画を撮っているのが判る。また、採石場のシーンでは、勅使河原宏の『他人の顔』を思い出したりする。
  • しかしソン・ガンホは、本当にいい顔と声をしている。