- 昼にのそのそと「しま」と起き出して、柚子の作ったお節の重箱を開けて、あれこれと摘みながら、彼女は麦酒を、私は三ツ矢サイダーを呑んで、ちょうどサンテレビで放送していた市川崑の『どら平太』をみる。公開の折、映画館でみて以来だけれど、時代劇を撮ろうが何を撮ろうが市川崑は市川崑であって、ハリウッド産のニッポン映画よりよっぽどキッチュなジャパネスクだったりするのが、どうしたって素晴らしい。
- 映画を見に行くつもりだったけれど、行くつもりだった映画館はきょうは休みで、どうしようかなぁとぼやぼやしている間に夜も深くなる。去年の後半は全然映画をみられなかったが、それでもベスト10を選んで遊び、それから、へぇ今年のニューイヤーはバレンボイムか、と、ちょっと眺めてから、風呂に入る。またお節を食べる。
- 出掛けていた柚子が帰ってきて、遠赤外線ヒーターの前で、床にぺたんと坐って、膝の上に乗った「しま」と一緒にうたた寝している。今、私のすぐ後ろで。