コールハースは燃える

  • ようやく届いた高橋アキの弾くフェルドマンの作品集を聴く。きりりとした見事な演奏。
  • 夜、TVを眺めていて、ニュースの終わりでチラッと、北京のTV局のビルが燃えています、との報あり。やっぱりコールハースCCTVだった。正確には、燃えているのはCCTVの隣に建つホテル棟のVTCCのほうだが、ものすごい火で、消防車も近寄れず、崩落の危険もあり、とのこと。『錯乱のニューヨーク』を記し、ニューヨークでの高層建築の実現に意欲を燃やすが、9.11によるWTCの崩壊後、そのグラウンド・ゼロのコンペの一員に選ばれながらも、既にニューヨークに未来はないとこれを断り、同時期に行われた北京でのCCTVのコンペに全力を傾注。それを勝ち取って、遂に実現させた(審査員のひとりは磯崎新で、コールハース案を強く推したと記憶している)、コールハース一世一代の大仕事だったのに……。しかしきっと、批評家としてのコールハースは、これでまた分厚い本を一冊書くだろうね、と書き添えて、MR君にメールする。
  • 9.11のとき、私は新奇な映像を探し求めて、朝までTVの前に齧りつき、チャンネルを替えまくったものだった。そして、WTCの死に、真っ向から向きあっている建築家の一人であるコールハースが、遠く北京で実現した摩天楼の死体写真を求めて、今夜の私はPCの前で、Googleの窓に入れる言葉をあれこれ思案しながら、ウェブサイトからウェブサイトへと、走りまわっている。