裸でもいいんです。

  • きのうの夜は寒かった所為か、「しま」が私の蒲団のなかに潜り込んできたまま、ずっと朝まで横でぴったりと貼りついて眠っていた。大きく暖かな毛玉の塊としての「しま」。
  • 夕方、梅田から難波へ出る。ぶらぶらと古本屋を覗く。カバーなしで二〇〇円の丸山眞男など、安い値段で欲しかった本が買えて、愉しい。
  • 電車のなかで宮台真司の『14歳からの社会学』を読み終える。よく書けている本だと思う。きわめてディーセントなスタンスで福田和也が綴った近代日本の通史『魂の昭和史』を読み終えたときの感覚に、かなり似ている。あの本も中高生に向けて書かれた本だった。宮台が、すごくキチンとしたお説教(これまでのみずからの歩みの反省も綴りながら)の本を書いたと云うことに、ちょっとしみじみする。

当たり前のことは単純じゃない。君は単純でわかりやすいものが好きだろう。でもそれは感覚をマヒさせる。当たり前のことを見ないことにつながる。だからやがて後悔することになる。一定の訓練をすれば、単純なものは、必ず気持ち悪く感じられるようになる。
この場合、単純なものを好む君は、何かをかくされてしまう。かくしているのは、他人ではなく、君自身だ。君自身が、ラクでいようとして、大切なことをかくすんだ。でも、それでいまがラクになっても、将来ラクに生きられる可能性は減る。君は、それでもいいのか。

  • クルツィオ・マラパルテの『壊れたヨーロッパ』を読み始める。大変美しい。大変怖ろしい。
  • 帰宅して、柚子とハヤシライスを食べる。美味。
  • 鞄が本でパンパンな状態で、肉離れも完治していないのに歩き廻った所為で、すっかり肩が痛くなり、柚子に揉んでもらう。
  • 真夜中、U君から突然電話。終電に乗り過ごしたので、泊めてくれ、との由。客間に蒲団を延べて、駅まで迎えにゆく。彼のウェブサイトのことに就いて抱いた感想を述べ、少し駄弁る。