あいうえおをかく

  • 朝起きて、きょうはどうするかを少し考えてから、ごはんを食べる。それから取りあえず、台所の洗い物を片づける。
  • 風呂に入り、少しずつ読んでいるギュンター・フィガールの『ハイデガー入門』の続き。ちょっと舌を巻く。本当によく書けている。
  • 斜め前のおばさんの家に、庭掃除のお礼に、先日、義姉が持ってきてくれた、どっさりのジャガイモと玉葱をから、少し取り分けて、持ってゆく。おばさんは留守で、おばさんの夫が出てくる。彼と言葉を交わすのは初めてである。以前、何度かこちらから挨拶をしたが、いい歳をして、挨拶を返してこなかったのをはっきりと覚えている。ふた言みこと、話をしてみると、まったくただのオッサンだった。
  • 洗濯機を廻し、洗濯物を干す。「しま」を抱っこして、少しベランダで立っている。
  • アルバイトに行くまで、きのうの古典文法の続き。活用のかたちと見分け方をノートに書き写し、ぶつぶつと自問自答しながら覚える。
  • 帰宅して、パスタを茹でる。ソースは柚子が作ってくれた。
  • 晩御飯を食べてから、さっきの勉強の続き。「しま」もついてきて、ノートの上のシャープペンシルを前足でぱしぱしと叩いて、転がしたりする。古典の参考書を広げている客間には、ネットも音楽も何もないのが、ただ勉強するのにいいのだろう(だから、携帯も持っていかない)。
  • トマス・ダウスゴーが振るシューベルトの《八番》と《九番》の入ったCDをずっと聴いている。私はこの録音で、シューベルトの《未完成》の面白さが、ようやく得心できた。