- パトリス・シェローが演出して、ピエール・ブーレーズが指揮をした1976年からのバイロイトでの《指環》のDVDボックスを久しぶりに引っ張りだしてきて、《ヴァルキューレ》の第一幕をみる。ワーグナーの台本を徹底して読み込んで、非常に緊密な舞台をつくりあげている。シュトゥットガルトの《ラインの黄金》はとても素晴らしいと思うが、《指環》の映像としては、やはりこのシェロー&ブーレーズを超えるものは今もないだろう。こちらのワーグナーや《指環》の思考が深くなるほど、再見するたびに発見がある。
- 夕方からアルバイト。終わってから元町まで出て、柚子と「ムジカ」で待ち合わせて、お茶と夕飯。おいしい。きょうは柚子の誕生日である。
- 明日は義姉たちがくるそうなので、スーパーで買物をして帰る。家に着いて、居間のTVを点けるとNHK教育で舞台をやっている。江守徹が大江健三郎みたいな(フレームの太い眼鏡をかけていて、イェーツの詩を英語で暗唱したりする)大学の先生の役で出ているので文学座の公演なのだろうが、役者たちの交わす台詞の音色(内容ではない)とリズムがやけに心地よい。途中、立ったり坐ったりしながら、結局、最後までみると、平田オリザの台本だった(『麦の穂の揺れる穂先に』)。