• さっそく水城せとなの漫画を読む。『黒薔薇アリス』も大変面白いが、『失恋ショコラティエ』の展開に瞠目する。
  • 此処へきて、この漫画の傑作ぶりが大爆発したというべきか。『失恋ショコラティエ』が素晴らしいのは、或る種の女の持つしたたかさと、それに翻弄される男の動揺の描写に留まるのではなくて、その無意識の分析のほうにある。つまり、どんなひとも刻々と、じぶんさえ気づかないうちに変化してゆくということと、同時に、いちどこれはこうであると思い込んでしまったなら、それを変えるのは大変困難であり、むしろそのフレームを維持するため、変化のほうを視界に入れないということすらするのを、きわめて粛々と描いているから、この漫画は凄いのである。