• 昼前に起きて風呂に入り、ジョビー・ウォリックの『三重スパイ』を読了する。『倒壊する巨塔』のその後。2009年の年末、アフガニスタン東部のCIAの前哨基地のなかで起きた自爆テロのドキュメンタリ。『倒壊する巨塔』を読んでいるときも思ったが、アメリカ映画の培ってきたナラティヴのフォーマットというものの洗練を随所で感じる。
  • ときどきこの本に登場する人びとが、じぶんと同じ音楽や映画を聴取していることが、妙に心に残る。『倒壊する巨塔』でもFBIの捜査班が、他の政府機関が秘匿しているテロリストたちの情報に電話照会でアクセスを拒否されるたび、電話を繋いだままピンク・フロイドの《Another Brick in the Wall Part.2》(コントロールなんか要らない、おまえたちは壁の煉瓦だ!)を爆音で流してやったというエピソードが書かれていたが、この本にはリドリー・スコットの『ワールド・オブ・ライズ』を本物のヨルダン総合情報部のエージェントがみて、「アメリカが物事をせっかちに進めたがるさまがリアルだ」と述べたのが紹介されている。
  • 柚子とお節をつつく。昨日はちょっと食べ過ぎた。
  • 年末に届いたシモーネ・ヤングの振る《神々の黄昏》を聴く。ヤングの棒は《ラインの黄金》や《ヴァルキューレ》のときの抑えに抑えたクールなそれではなく、ノリノリの演奏で、もともとかなりイタリア・オペラっぽい《神々の黄昏》がますます朗々と立ち上げられていて、予想とは全然違ったが、これはこれでかなり面白く、興奮する。鈍重な《神々の黄昏》は好みではないので。
  • スカイステージで《めぐり会いは再び》をまたみながら、年末年始になんでこんな本ばっかり読んでいるのだろうかと思いつつ、佐原徹哉の『ボスニア内戦』を読み始める。
  • 夜は梅田で『アラザル』関西新年会。大変愉しい。