• 仕事を終えて駅前の古本屋をみてから隣町のツタヤでDVDを借りて、駅前でKY君と落ち合って帰宅する。
  • 鍋を突きながらKY君と駄弁る。彼の原稿が初めて載った『アラザル』九号を渡す。最初の原稿はこれまでの蓄積で書けるが、次から何を書いてゆくかが難しい(それがどれだけ厄介かと云えば、私はまだ二号めからはじめた連載を書き終えることができないでいる)。KY君は『インターステラー』をみてきたばかりで、『ほしのこえ』的なセカイ系がハリウッドでアップデートされたと喜んでいる奴らはけっきょく日本のアニメやらラノベという表現によって追究されたセカイ系の可能性の中心が全然みえていないのだと憤っている。さらに、『インターステラー』のなかで、しばしば映っていた星条旗の話になる。私は、そもそもアメリカ映画に出てくる星条旗の多くは無意識の表出であり、『インターステラー』でのそれは、世界に於けるアメリカの優越の誇示の顕れであると理解するよりも、むしろ世界の孤児としてのアメリカ(月面着陸すら否定している劇中のアメリカが大気圏外で何を代表するというのか)なのではないかと思いつきを述べる。『プライベート・ライアン』のBDをひっぱりだしてきて再生し、冒頭の、逆光で、ほとんど画面に溶けかかっている半透明の星条旗と、墓地に翻る三色旗と星条旗(こちらはごく普通の撮られかたをしている。なぜならこれは、このあとに始まる映画がフランスでアメリカが戦うことをあらかじめ知らせるための記号であるからだ)を、KY君とみる。あとはずっと、SKE48と、彼の大好きな『ラブライブ!』の話をしている。21時過ぎに、メールボックスを開くと、9日の劇場公演の当選通知がきていて、歓喜する。KY君に、そんな姿初めてみましたよとからかわれるが、とても嬉しい。四時前まで駄弁って、眠る。