- 夕方から出かけて、新開地の神戸アートビレッジセンターでアルノー・デプレシャンの『ジミーとジョルジュ』をみる。ベニチオ・デル・トロとマチュー・アマルリュックを配してデプレシャンが撮ったアメリカ映画は、アメリカの亀裂をめぐる堂々たる映画で、しかし、その亀裂こそがアメリカの総ての起源であることを示す。この映画がみせるのは、暴力と否認を繰り返しながら、しかしその悪循環から脱するために、他人と言葉を交わし、言葉を練り上げてゆくことで、それをじぶんのこととして抱き留めることができるようになるというシンプルな過程である。最後のシークェンスはとても美しい。何度も見返さないとよく判ったとは云えないだろうけれど(途中、ほんの少し眠った)、やっぱりデプレシャンの映画はすごく好き。いい映画だった。