• SKE48の曲をずっと聴いてると、ときどき、何でこんなに音の数が多いんだ!と思う。「AKBとかあんなもん聴くと耳が腐る」なんて云う音楽好きは決して少なくないのだが、ここ一年ぐらい、めちゃくちゃ聴いている私の耳は腐ってしまったのかというとそうでもない。耳から入って脳が腐ってるんだろうと云われたら笑って中指を立ててやるだけである。
  • SKE48を聴く合間に、以前から好きだった現代音楽の、特に室内楽くらいの規模のものであったり、モートン・フェルドマンの音楽などを聴くと、できる限り少ない音で、シバリをかけられた少ない手札で、未聴感の豊かな音楽を実現しようとしているさまが、明瞭に伝わってきて、美しい。じゃあ、SKE48でもそのようにするべきかと云えば、これはやっぱり違うんだと思う。あのがちゃがちゃと音がたくさん詰めこまれて、そのひと粒ひと粒が前へ跳びだそうとしている曲こそが、彼女たちのありようを表現するのに、いちばんまっすぐ届くから選ばれているのであると、この頃やっと判るようになってきた。