- 朝から京都へ行くつもりが疲れきって蒲団に突っ伏している。これではいかんと風呂に入ると、もっと疲れる。けっきょく行きたかった展示は三つとも行きそびれ、ひっぱりだしてきた本をあちこちつまみ読みしたりしている。ところで、京都という街は好きか嫌いかと云えば大嫌いで、あの街には学生のときからずっと、ことあるごとに拒まれていると思う。いつも季節の変わり目は風邪をひくけれど、こんなに長引くのは初めてで、げんなりしている。せっかく柚子が買ってきてくれた鰻もぜんぶ食べられないくらい。内臓の調子だったり、とにかく体力が落ちているのを痛切に感じる。批評を書いたり美術をみたりするのは、私にはとても切実ではあるが仕事ではないから(安東君の云うハスリングではないから)ゆえにちゃんとそれができるようなコンディションをちゃんと保たねばならないと思う。