• 仕事はもちろん終っていないが職場にだらだらいても疲れていらいらしてくるだけなので、さっさと帰路。近所の本屋の「ドイツ文学」の棚を何気なく眺めると、その隅に、買いそびれて、いつの間にか本屋からなくなってしまったイェリネクの『光のない。』が刺さっている。慌てて買い求める。残った小銭で、鶯餅と桜餅をひとつずつ買って家に帰る。道すがら、やはり雨がぽつぽつと打ってきたので、ベランダの洗濯物を取り込む。最近はピエール・フルニエの弾くバッハの《無伴奏》の四番とか五番をよく聴いている。我ながら頽廃だと思う。柚子が雨が本降りになってから帰ってくる。