• ティル・フェルナーの弾く《平均律》の「第一巻」を久しぶりに聴いたらあまりの巧さに驚く。あらゆるものが死に絶えた空間のなかで、嘗て存在した生命たちに向けて響いているような音楽。唖然とする。ECMから出ているこのCDを買ったのは何年も前だし(まだ「第二巻」は出ていない様子)、そのころ好きでけっこう聴いていたのに、こんなに驚いたのは初めてのこと。やはり最近、ずっとフルニエの弾く《無伴奏チェロ組曲》ばかり聴いていたから、耳が反応しやすくなっているのか?